未来は予測するものではなく創造するものである ――考える自由を取り戻すための〈SF思考〉

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未来は予測するものではなく創造するものである ――考える自由を取り戻すための〈SF思考〉

  • 著者名:樋口恭介【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 筑摩書房(2021/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480864765

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内容説明

「ここではないどこか」への想像力を解放せよ。気鋭のSF作家であり、ITコンサルタントである著者が贈る理論と実践の書!――形骸化したルールや管理指標に絡めとられ、日本社会はいま停滞の中にある。イノベーションの経験も、その記憶すらも失われつつある。意味や価値のわからない仕事を再生産し続ける「制約事項」を爆破し、「本当のイノベーション」に向かって考える自由を取り戻すための思考法。

目次

まえがき
未来とは、「予測する」ものではなく「創造する」ものである
SF作家という仕事、ITコンサルタントという仕事
未来を実装するための試行モデル作成
人間の思いつきこそが、かつては「未来」と呼ばれていた
馬車の発想から逃れられないうちは自動車を発明することはできない
過去をなかったことにはできないが、未来を変えることはできる
未来を「予測」することは原理的にできない
「本当のイノベーション」が失われつつある
「科学的管理」というイデオロギー
文明発展とともに人類は機械のように画一化した
意味や価値のわからない「仕事」を再生産し続ける「制約事項」
未来は恐れを知らぬ「楽観主義」によって創造される
「考える自由」を取り戻すために
パート1 〈SF思考〉とは何か?
1 物語の力
総務省が発表した「SF小説」
物語は「仮説」を共有するためのツール
人は「虚構」の中を生きている
強いビジネスにはつねに強い物語がある
コンサルティングとストーリーテリング
ビジネスが前提とするロジカルな人間像を真逆に考えてみる
デザインシンキングにおけるストーリーテリング
ストーリーを素早く可視化するためのフレームワーク
優れたストーリーだからこそ再現性がない
人間の営みに一般法則はありえないが、論理の流れはある
2 オルタナティブを思考
志向する〈SF思考〉
SFの定義
三つの分類
「ここではないどこか」を目指す意志
フィリップ・K・ディックによる定義
3 世界におけるSFとビジネスの関係
VUCAの時代、ビジネスがSFを求めている
SF小説を納品するコンサルティング会社
「現実」に実装されつつあるテクノロジー
米国テック企業における影響力
国家戦略の礎
中国共産党主導のSF大会
日本政府におけるSF的なビジョン
日本企業のSF活用例
パート2 〈SFプロトタイピング〉をはじめる
1 自由な思考・議論のためのマインドセット
目を開けたまま夢を見るためのツール
二つのアプローチ
イノベーションのジレンマを打破するために
ブルーオーシャンに出るために
「ひとつなぎの大秘宝」はどこにも存在しない
ボールをできるだけ遠く、あらぬ方向に投げてみる
イシューからはじめない
2 SFプロトタイピングのプロジェクト進行
作品を作る過程で起きる「議論」こそが重要
必要なのは「純粋なおしゃべり」
目的を決める
テーマを決める
規模を決める
メンバーをアサインする
ワークショップの実例
プロジェクト進行のための具体的な作業項目
遊びを仕事にし、遊ぶように仕事をする
3 物語のアプローチを考える
アプローチを選ぶ
形式(アウトライン)を考える
内容(センス・オブ・ワンダー)を考える
物語を検証する
4 物語を生み出すコツ
行って帰ってくる物語
三幕構成
伏線
どんでん返し
田丸雅智メソッド
スレットキャスティング・アプローチ
パート3 〈SFプロトタイピング〉のケーススタディ
ケース1 未来の服を考える
「母を着る」
ケース2 未来の都市を考える
「ペーンポーイ文明における都市型演算機構の活用事例(『ペーンポーイ民俗史研究』第二七号 掲載)」
ケース3 COVID-19以降の社会を考える
「踊ってばかりの国」
あとがき
奇跡を信じること
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬佳彰

13
SFプロトタイピングって言葉は、WIERDか何かの記事で読んだんだっけ?本書の構成は、SFプロトタイピングとは?その方法論、プロジェクトの進め方、ケーススタディとなっている。前半ではSF的思考による未来の創造、徹底した楽観主義、人間らしい生活を取り戻すなどが語られる。後半は方法論だが、この辺からどーもビジネス臭、コンサル臭が強くなり、結局、著者は何を突破したいんだっけ?と分からなくなった。下手をするとビジネスにどう物語性を使うか?って感じの代理店的テクニック話に入って行きそうな。コンサル嫌いな俺の偏見か?2021/09/25

makio37

11
「ここではないどこか」「もうひとつの未来」を皆で考え、議論するツールとして物語を利用する。できるだけ遠くに、投げ入れたことのない方向へボールを投げ、どこへ行ったのか探しに行く。今の時代、検索しても出てこないような新技術・新事業を開発するなら、これくらい必要なんだろう。著者による実例のおかげで、ぼんやりとイメージはできた。「妄想と論理の間を絶えず往来する物語」を創り出せたらカッコいいだろう、と妄想はひろがるが、実践するには勇気が要る。「遊ぶように仕事をする」は当面の自分の課題と再認識した。2022/10/23

ティコ

8
SF作家ってコンサル業を請負うこともあるんだな。SF書いたら創造的になるだろうけど、イノベーションに繋がるかどうかはわからない。日本企業がSFプロダクトに挑戦しているそうだが、斬新なアイディアは出るんだろうか?あまりそうは思えない。なんでだろ?意思決定者が創造的になるよりも、創造的な人が意思決定者になった方がよいのでは。仕事に閉塞感があって、期待してこれを読んだが、上流の人間か、起業する人が読む本かな?と思う。とはいえ、自分のためにSFを書くのも充分楽しそう。2021/10/18

しゅん

8
ここまで素面で率直に未来を語れるのがいつも不思議だと思う。そして本当に樋口恭介には照れがない。2021/08/03

まさき|SNS採用に強いフリーランス

7
■馬車の発想から逃れられないうちは自動車を発明することはできない。私たちは既に存在する制約事項によって思考を狭められており、本来広い意味をもつはずの概念の適用可能な領域を狭め、現状を変えてしまうような突飛な考えを持たないように、自らに制約を歌詞、普段から思考や言動や行動を律している ■未来は恐れを知らぬ「楽観主義者」によって創造される ■物語は「仮説」を共有するためのツール。SFは小説やコミック、映画のストーリーで未来の世界を描き出し、「仮説」としての「現実のプロトタイピング」を行うための開発ツール2022/04/11

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