地域批評シリーズ<br> これでいいのか熊本県

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地域批評シリーズ
これでいいのか熊本県

  • ISBN:9784867161029

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内容説明

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熊本県は古来より九州の中心地で、本来ならば福岡よりも大きな存在だった
はずなのに、現在では大差を付けられている。その大きな要因が度重なる「災
害」と「戦争」である。
 熊本には、実に数万年前から多数の人間が暮らしていた。ところが縄文時代
に鬼界カルデラ(現在の鹿児島県大隅海峡にあるカルデラ)の大噴火で文字通
り「絶滅」した。だがその後、豊かな土地なだけに新たな「入植者」を向かえ
て再び繁栄した。ところが今度は大和朝廷(王権)の勢力に敗れて滅亡する。
平安時代以降は多くの武家が栄えたが、小勢力が乱立し、戦国時代までに地元
勢力はほぼ全滅した。近世には加藤氏や細川氏が熊本藩をつくり上げたが、明
治初期に西南戦争の主戦場になり、またもほとんどすべてが「焼失」してしま
う。このように熊本は何度も「リセット」を余儀なくされ、その都度復活して
きたのである。ただそのせいで、その実力の高さや土地の豊かさに比べ、富と
歴史の蓄積には預かれなかった。
こうした事実を鑑みれば熊本県は、何度も蘇る不屈の地域なのである。古来
「火の国」と呼ばれるように、まさに炎をまとう不死鳥のごとき精神を、熊本
県は持っているといってもいいだろう。
 そんな熊本県は今、新たな時代を迎えようとしている。熊本市では、長年の
懸案であった熊本駅周辺の再開発が軌道に乗り、本来の中心地である桜町など
も大きく変化しつつある。熊本市内とその周辺地域では、ベッドタウンが次々
と造成され、熊本都市圏は大きく発展しようとしている。だが、その他の地域
に目を向けると、八代、阿蘇、人吉では災害復興の遅れや熊本市へのストロー
現象による人口減少に苦しんでいる、水俣は産業が減少し、天草は観光資源を
活かし切れないなど、どこも難題に直面している。さらに県全体でいえば、災
害復興と人口減少問題のダブルパンチに見舞われ、かなりの苦境にある。
 果たして熊本県は今度も復活できるのだろうか? その答えを見つけるため、
我々は県内各地を取材してまわり、多くの資料も分析した。そこから見えてく
る熊本県の本当の課題と未来への可能性とは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shun

27
地域批評シリーズの1冊で私の地元・熊本を批評。職場の方にいただいたので読んでみることに。執筆者は熊本出身でも縁の深い方でもないので、良くも悪くも第三者から見た熊本県の姿が見えてきます。今までは特に地元のことを詳しく知ろうと思うこともなかったので、面白おかしく読ませてもらいました。2021/02/26

Shinya Fukuda

1
熊本県の問題点を提示している。熊本市は人口が増加しているが県全体としては変わっていない。ということは熊本市が他の地域から人口を吸収しているということだ。人口を吸い上げられた他の地域は寂れている。その熊本市も問題を抱えている。それは熊本駅周辺の再開発と桜町の再開発が重荷になっていることだ。共倒れになるのではということだ。又中心が移動することも考えられる。しかし熊本県は農業が盛んで食べ物には困らない。これを活かしてどう発展に結びつけるか今後の県政の注視していきたい。2021/07/07

TOMIKA306

1
著者の方はよく調べているとは思うのですが、熊本県人ではない方に上から目線で「これでいいのか」と言われても、反論したくなる。確かにご意見ごもっともなところもあるんだけどさ、過疎地域でも、行政がうんと頑張ってるところもあるんだよ。高校生まで医療費無料とか福祉の面もあるし、吉野ヶ里より大きな遺跡群や古代鞠智城とかの日本遺産とか誇れる物もいっぱいある。阿蘇山の火口を見ることが出来なかったって、ずっと文句言ってるけど、安全第一だよ?  熊本県人歴6年だけど、ちょっとおもしろくなかったです。2021/07/01

にゃあ

1
地域ネタ本。思わず手を取ってしまった。コロナ禍の中、取材に来熊した著者2人は同級生コンビ。私も奇しくも同い年(どうでもいい笑)。よく調べ込んでると思う。地元民が知らないことが散見…いや、多数見られた。熊本で住むと肉も魚も野菜も美味しく水も蛇口を捻ればミネラルウォーター。食に困ることはない。歴史もこの本で知ったこと多数。ただひとつ残念なのが「阿蘇=火口見学」と書かれていること。それは確かだけど、地元民としてはレンタカーを借りて外輪山1周と阿蘇登山道路のドライブを是非にオススメしたい。阿蘇五岳登山もいいよ。2021/03/12

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