地域批評シリーズ<br> これでいいのか岐阜県

個数:1
紙書籍版価格
¥1,078
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

地域批評シリーズ
これでいいのか岐阜県

  • ISBN:9784867160534

ファイル: /

内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

岐阜は実にビミョーなポジションの県である。日本の中心にありながら、希
薄なことこの上ない存在感。その要因はお隣・愛知(というか名古屋)の光芒
が強過ぎるからだろう。中部一の大都会・名古屋の影に隠れ、まったく目立た
ないのだ。今や都道府県の知名度を計る基準になっている魅力度ランキングで
36
位。この中の下の順位もいかにも岐阜らしい。どうせならどんじりにいて逆
目立ちすればいいのに、そうならないのはその存在感の希薄さゆえだ。
 だが、そんなポジションに甘んじつつ、岐阜は意外としたたかだ。交通の要
衝という立地と名古屋にしっかりと依存し、中京圏の一角として産業集積が進
んでいる。しかも現代産業だけではなく、刃物に焼物、そして世界遺産にも認
定された和紙など伝統工芸も盛んで、国内屈指のものづくり県になっているの
だ。とはいえ、その旨味を享受し、発展しているのは美濃地方である。対する
北の飛騨地方は開発も遅れ、のどかな田舎が広がっている。
 このように南北で明らかにコントラストが違う岐阜だが、それも仕方がない。
山や川で遮られているように、もともと美濃と飛騨は同じ国ではなく、文化、
言葉、風習、人々の気質も違う。加えて強引にひとつの県にされてしまった因
縁もあり、両者には目に見えないライバル心、はたまた羨望めいたものも存在
している(お互いに無関心を装っているけどね)。
 ただこの2地域のスタンスは実にもったいない。それぞれに強みも個性もあ
るのに、「岐阜」の名の下、ひとつにまとまれないから、それぞれの長所がそ
れぞれの短所を補完できず、県の飛躍を阻んでいるのだ。この「まとまれない」
のが、岐阜県の残念な特徴で、美濃と飛騨の関係にとどまらず、美濃の内部も
バラバラでまるで一体感がない。
 本書では美濃と飛騨双方の地域性、問題点を取り上げ、岐阜県の本質を暴き
出していく。岐阜県が真の南北融合を果たし、「中部の雄」として脱皮できる
のか、その未来をこれから探っていくことにしよう!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bapaksejahtera

9
妻が岐阜の或町から戸籍が移ってきた縁で本書が回ってきた。名古屋に暫く住んでいた事もあり美濃と飛騨と共通性のない地域からなる岐阜県の不思議(どこの県も似たような物だが)は気になっていたので興味深く読んだ。週刊誌のようなタッチであるが、記述は歴史から始まり地域毎に平成大合併のあれこれやその発展格差等を述べ、コラムを交えつつ今後の方向性を示す等抑える所をは抑えている。軽めの文章でジャーナリスティックなよそ者視線が宜しい。本シリーズは県別或いは大都市別、東京特別区別に同種なものが出ている。一定数の読者は確保できる2022/09/20

くろじら

2
県内各自治体について現状とかを、少し面白おかしく書いているのだけれど、データと取材に基づいていて、かなり納得できる。私は他県出身者で、就職先がたまたま岐阜県だっただけだから、本当のネイティブ岐阜人とか役所の人が読むと違う感想になるかもしれないけどね。2021/03/30

ツッチー

1
地元民ながら地方紙を読んでないので、なかなか新鮮な発見もあって面白かった。(海津とか中津川とか、まず足踏み入れねーしw) あと地元民だからでなんとなくで思ってる感情論みたいなのを明文化されたことによる新たな認識も。2021/05/23

妖湖

0
図書館本。まあこれだけばらばらではまとまるのはむつかしいね。住み心地は悪くはないけど。2021/02/02

かずさん

0
どこでも町同士のいがみ合いってあるんだなぁと思った。2020/12/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16355581
  • ご注意事項