岩波文庫<br> 不如帰

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岩波文庫
不如帰

  • 著者名:徳冨蘆花
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 岩波書店(2021/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003101513

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内容説明

「ああ辛い! 辛い! もう――もう婦人(おんな)なんぞに,生まれはしませんよ.」日清戦争の時代,愛し合いながらも家族制度のしがらみに引き裂かれてゆく浪子と武男.明治31-32年発表,空前の反響をよんだ徳冨蘆花(1868-1927)の出世作は,数多くの演劇・映画の原作ともなり,今日なお読みつがれる.改版(解説=高橋修)

目次

第百版不如帰の巻首に┴不如帰┴岩波文庫「不如帰」あとがき(徳冨愛子)┴注┴徳冨蘆花略年譜┴解説(高橋修)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

87
とても哀しい悲恋の物語ですが、何処となくメロドラマのような雰囲気が漂っています。結核に冒された浪子と、その良人・武男の物語。明治時代の家族制度も関係し、別れる結果になってしまうのが悲しくてたまりませんでした。辛い運命に自殺をも考える浪子の前にキリスト教徒の老婦人が現れ、諭すところは徳富蘆花らしい演出です。関係性に恵まれなかったからこその美しく尊い愛。書かれた当時、大ヒットしたのも頷けます。面白かったです。2016/02/04

金吾

32
○当時のベストセラーだけあり、純愛、家、結核、戦争、宗教と要素が盛り沢山です。今の価値観から言うと不思議な部分はありますが、当時としては致し方なないのかなとも思います。ラストはなかなか好きなシーンです。2022/10/26

シロナガス西瓜

23
明治の二大ベストセラー!らしいので、『金色夜叉』に引き続きこちらも読了。前者と比較してザ・王道な、浪子と武男の純⭐︎愛物語だなぁと思っていたのだが、解説を読む限り少々軽薄だったようだ。通俗的な家庭小説の一面もあり、「家」vs「愛」になり得なかった社会小説の一面もある。片岡中将は何故あんなにあっさりお浪を引き取ったのか。そこが謎だったが、家を重んじる辺りが関係しているのだろう。まぁ何にしても、浪子はええ子やった(泣) 現代日本は長寿国。しかも個人の愛が尊重されるはず。ああ、我が姫は一体何処にありんすか?2022/08/16

川越読書旅団

22
明治の大ベストセラー徳富蘆花の「不如帰」。作中にある浪子の悶え「ああ辛い!辛い!もう ― もう婦人(おんな)なんぞに ― 生まれはしませんよ。― あああ!」がこの作品の全てではないのかと、、、。2024/04/13

てらこ

19
若夫婦・武男と浪子の悲恋の話。「家」や「親」が絶大な権力を持つ時代に、夫と妻、嫁と姑、継母と娘…といろんな人間関係がもつれあいながら悲しい運命に向かっていく様が、本当に辛すぎて気が滅入った。浪子の名セリフ「ああつらい!もう女なんぞに生まれはしませんよ」も、そりゃそう思うよね、と…。武男に届く名無しの荷物、二人の最期の邂逅、などドラマチック要素はベタといえばベタだけど、まんまと泣きました。2020/01/18

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