内容説明
日本では信仰を持たない人が大半を占めるが、他方で仏教や神道、キリスト教の行事とは縁が深い。日本人と宗教の不可思議な関わりはどこへ向かうのか。新宗教の退潮とスピリチュアル文化の台頭、変わる葬式や神社の位置づけ、ケルトや縄文など古代宗教のブーム……。宗教を信仰の面だけでなく、実践や所属の観点も踏まえ、その理解を刷新。人々の規範から消費される対象へと変化しつつある宗教の現在地を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
64
日本人に限らないと思うが、宗教的な行事については特に、死者や神々のためというよりも生きている人間の心の安定を保つ目的が強いという特徴があるのだと感じる。また宗教は商品化され消費の対象にもなり、人々はそこから利益を得てきたという側面もある。エリアーデという文献学者が日本の文学者にも一定の影響を与えたというところは面白く読んだ。2021/05/28
岡本 正行
25
令和4年11月現在、国会で旧統一教会に対する寄付、献金問題が議論されている。統一教会だけでなく新旧の宗教、葬式仏教とか新興宗教とか言われる、マインドコントロールの世界、信じることは救われる、鰯の頭も信心から、侵攻なくして日々の生活が成り立たない市民も多い。安部元総理が狙撃されたことの方が問題なのに、宗教弾圧が始まていること、そのことが問題。寄付が多いか少ないか、2世信者など、迷惑な話ではある。葬式仏教も徳川家康の悪知恵、統一教会だけでなく多くの宗教に広まるかそれも問題だ。すぐ忘れる、野党もマスコミも。2022/01/29
Francis
17
猫町俱楽部スピンオフ読書会の課題本。出版当時パラパラとめくってどうなのかな、と思っていた。今回一読してようやく日本人の宗教観について理解できたように思う。日本人は他国人と異なり信仰対象とされるものへの信仰は持っていないが信仰の実践としての行為は行っているとの指摘は腑に落ちた。最近のパワースポット巡りなどのスピリチュアルブームについて日本人はまるで「市場からスピリチュアルとされる商品を購入して消費することを繰り返す消費者」になってしまったように感じた。しかし日本人はこれで果たして幸福なのだろうか。2021/08/22
サケ太
17
日本人にとって宗教とは何なのか。宗教的な実践、所属、日本人の宗教観やスピリチュアルに対する捉え方。宗教というものが、その必要性から時代によって変化して、現代に適応している姿というのは面白い。こういう視点で宗教というものを捉えたことはないので、興味深かった。2021/07/27
kuukazoo
10
面白かった。葬式や初詣や地鎮祭などを信仰のない宗教的実践として捉え、その時の「気分」や「場の空気」で消費されるスタイルだとする。その延長線上にスピリチュアルブームがある。それ以前の「精神世界」「ニューサイエンス」が懐かしい。ライアル・ワトソンとか読んだなぁ。井門富士夫先生のお名前も出てきてびっくりだ。エリアーデの宗教シンボル論についても言及。人間は知りもしない古代人の信仰を想像的に語り、あたかもそのような信仰があったと信じ、それに基づいた実践を行うことができてしまう生き物であることにちょっとぞくっとする。2021/05/31
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