内容説明
東京・杉並区で男性の腐乱死体が見つかり、法医昆虫学者の赤堀と岩楯刑事が司法解剖に立ち会うことになった。岩楯の相棒となる深水巡査部長、高井戸署署長、鑑識課長らも同席するなかで、大柄で肥満した遺体にメスが入れられていった。と、そのとき、立会人たちが発疹や出血、痒みに襲われ、感染症の疑いでパニックが起きる。岩楯らは隔離されるが、赤堀には心当たりがあった。赤堀は騒ぎの原因を解説し、殺人と推定された被害者の死亡推定月日に迫ろうとする!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
114
いつもながら描写が凄いものがあるのですが読んでしまいます。今回はある家での腐乱死体から発生した虫などがキーとなっていくのですが、いつもの登場人物のほかに新しい刑事が加わってきます。さらに少年が新しいサブ主人公になっりそうな気配が見えます。よくまあいつもながら考えてくれます。2021/08/01
ゆいまある
87
いやいかん。大好きなシリーズだけど今作は駄目だった。監察医が死後数日の遺体から汁が出てくるの知らない筈ないだろから始まり、波多野は還暦前(つまり50代)という設定なのにどう見ても30年前に存在した70代でリアリティ皆無。病院で処置できない症状を引き起こす虫が台湾に普通にいる筈なく、抗ヒスタミンとステロイドで対応できるのにハッカ油しか効かない設定の嘘(誰かググれ)、昆虫類をツバメが運ぶレアケースにレアケースが重なる無茶設定、書ききれない程雑な作りで読むのが辛かった。今迄も無茶は時々あったけど今作は酷い。2021/10/06
sin
84
今回は腐乱した死体の解剖中に立ち会い人に出血があり…といった衝撃的な場面から始まる。その場に居合わせた法医昆虫学者の見識に依って台湾に生息する吸血昆虫の仕業と判明するのだが、いったい何故、殺害されたとおぼしい死体にその昆虫が付着していたのか?物語は刑事たちの捜査と、法医昆虫学者の現場検証及び、その推察の結果に基づいたフィールドワークの両面から犯人を追い詰めていく…毎度のことだが法医昆虫学者の個性的な立ち居振舞いには声をあげて笑ってしまい。そしてその何事にも真摯な姿勢には感動を覚えた。2021/09/01
ナミのママ
64
このシリーズもついに7作目。蛆虫のイメージが強烈なシリーズだが今作も冒頭から出るわ、出るわ。暑い夏がさらに暑く感じられた。さらに腐乱死体の解剖現場にいた全員が発疹・痒み・出血に襲われて感染症を疑われる。…しかし事件はここから始まり、なぜ殺されたのか?誰に殺されたのか?なかなか面白い推理だった。作者の作品はこのシリーズしか読んでいないが強烈なキャラクターの登場人物が多い。今作もそんな感じ。わかりやすく楽しいがちょっと食傷気味かな。次作が出るまでに消化しておこう。2021/07/29
五右衛門
59
読了。よりパワーアップした赤堀教授を堪能しました。いつもながら虫達の動きを徹底的に追いかけます。警察サイドも新しい相棒が濃い目の色を出しつつ奮闘します。けれども今回終盤まさか岩楯警部殉職?が過りましたが…と言うことは続編期待しています。2022/04/30