内容説明
宮城県の古刹・通大寺では、人間に「憑依」した死者を成仏させる「除霊」の儀式が、
今もひっそりと行われている。
震災後、30人を超える霊に憑かれた20代女性と、
その魂を死者が行くべき場所に送った金田諦應住職。
彼女の憑依体験から除霊の儀式まで、一部始終を、
大宅賞作家・奥野修司(『ナツコ』『魂でもいいから、そばにいて』)が描く!
<本文より>
人が死ぬとき、合理的に解釈できない不思議なことがしばしば起こる。
がんなどで死に逝く場合もそうだが、
2万2000人余という人が亡くなった東日本大震災のような過酷な状況下では尚更だろう。
しかし、いきなり霊的ともいえる予想外のことが起こると、
それを体験した人は誰にも相談できずにひどく苦しむ。
金田住職のところへ、
高村英さんが混乱状態で電話してきたのは2012年の蒸し暑い6月の夜だったが、
彼女もやはり誰にも相談できずに苦しんでいた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
76
この本はホラー物ではない。ノンフィクションであり、実際に起きた事柄を書いたもの。幼い時から霊を見たり、感じたり、時には接触してしまう今回の語り手。上手くコントロール出来たいたのが東日本大震災を境にコントロール不能となってしまう。怪奇現象を扱っ番組や映画、読み物と違い恐怖は感じない。それよりも切なさや、憑依されていて辛いのにも関わらず罪悪感に苦しむ状態を知って驚きと共に悲しい気持ちになる。いるか、いないかよりも、その人を受け入れるという住職の懐の深さには感銘を受けた。2021/08/07
いっちゃん
30
リメンバーミーというディズニー映画が好きです。メキシコの死者の国の住人は思い出してくれる人がいなくなると塵になります。あの世とこの世を隔てる川の存在はいろんな国にあるようです。奥野さんが書かれているように、あの世なんてないという今の方が歴史的に短く、いろんな国に死後の世界というものを信じる文化があるなら、あるんだろうなぁと思うのが自然かもしれない。私はあると思いました。成仏しきれずにさまよってしまう魂もあるんだろうと。2022/10/12
びぃごろ
16
2022.1.7読了。データが消えていることに気付き再入力。精神的にも肉体的にもよく耐えたと思える話であった。Twitterより→ノンフィクション。幼い頃から死んでいる人も見えていたという高村さん。東日本大震災後、制御がきかないほど彼女の頭の中に声が響き、向こうの世界… 残念ここまで。2022/01/07
雪だるま
14
気がついたら読みながら涙が出ていて、自分で驚きました。 霊の存在や憑依、除霊などは信じない人には作り話の様に思えるのだと思います。だからこそ霊を感じる人はあまり公言しないのでしょう。本書で多くの霊に憑依された体験を語る高村さんも自分ではどうにもできなくなって初めて助けを求めています。興味本位の怪談ではなく事実として、生と死を考えさせられました。ノンフィクションですが、小説の様な感じで読みやすかったです。2021/08/29
ゴロチビ
10
前に読んだ「魂でもいいから、そばにいて」に連なる本かなと思って手に取る。幽霊話のようで全く違う、これもドキュメンタリーなのだ。霊を引き寄せる体質の女性が死者に憑依されて思いを語る…としか思えないのだが著者はあくまで客観的であろうとしている。何故死者の素性が分からないのか?意地の悪い見方をすれば疑問もある。純粋さ故の自己催眠とか…。それでも私は自分は中継器だという女性の感覚は納得できた。死者が残した思念を受け取って自分の出来る範囲で翻訳している?そんな感じ。いとうせいこう「想像ラジオ」のリアル版ではないか。2022/12/07
-
- 電子書籍
- 週刊ビッグコミックスピリッツ 2025…
-
- 電子書籍
- 【フルカラー】甲冑皇子の愛は不器用【タ…
-
- 電子書籍
- すぱいしーでいず! 2巻 まんがタイム…
-
- 電子書籍
- 帰ってきた初恋【分冊】 6巻 ハーレク…
-
- 電子書籍
- 次回をおたのしみに 3 りぼんマスコッ…




