講談社選書メチエ<br> 使える哲学 私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか

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講談社選書メチエ
使える哲学 私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか

  • 著者名:荒谷大輔【著】
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  • 講談社(2021/07発売)
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  • ISBN:9784065238271

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内容説明

新しいウイルスの蔓延をはじめ予期せぬ出来事が次々に起こり、AIなどの技術が想像もしなかった可能性を現実にする状況は、とどまるところを知りません。全体を見通すことは難しく、自分が今どんなところにいるのかも分からぬまま、新たな事態に翻弄されながら生きている、というのが多くの人の実感でしょう。
そのとき「使える」のは「哲学」である――これが本書のメッセージです。では、どのように使えるのか。その威力を実際に体験していただくために、本書は「富」、「美」、「科学」、「正義」、「私」という5つのテーマを設けました。誰もが「富」を手にし、「美」しくありたいと願いますが、それを実現するのに必要なのが、さまざまなテクノロジーを生む「科学」だと信じています。ところが、「富」と「美」だけでは満足できず、誰もが自分は正しいと信じ、「正義」ゆえに葛藤や悲劇が生み出されます――そのすべては「私」への固執がかつてないほど強くなった時代の現象です。
つまり、「富」、「美」、「科学」、「正義」、「私」は、どの時代、どの場所でも同じだったのではなく、歴史の産物なのです。それがいかにして生まれ、いかに変化してきた結果、現在の私たちを捉え、駆り立てているのかを解明できるのは、哲学だけだと断言できます。本書は、近年の出来事からスタートして、歴史の地層を掘り進め、徐々に深度を下げていく作業を実演していきます。従来の哲学史のように歴史をくだっていくのではなく、まるで発掘の作業のように歴史をさかのぼっていった先で、真の自由を手にできるはずです。

[本書の内容]
I 富:「承認」への欲望
深度0 2019年:「富」の魔法/深度2 1867年:マルクスの価値形態論/深度3 1759年:アダム・スミスの道徳論/深度4 1517年:プロテスタント神学の救済論
II 美:「尊さ」への欲望
深度0 2019年:「美」の消費/深度1 1979年:「大きな物語の終焉」/深度2 1800年:「芸術」という神話/深度4 1590年:「何かよくわからないもの」の優美=恩寵
III 科学:「進歩」への欲望
深度0 2020年:「科学」の信仰/深度1 1962年:クーンの「通常科学」/深度4 1543~1687年:近代科学の「パラダイム」
IV 正義:「権利」への欲望
深度0 2017年:「正義」の揺らぎ/深度1 1962~71年:リベラリズムの「理想」/深度4 1690年:自然権のゆくえ
V 私:「ありのまま」への欲望
深度0 2020年:「私」の全肯定/深度3 1781年:カントの「理性」/深度4 1641年:デカルトの「コギト」/深度1 1923年:無意識を操作する広告技術
欲望の哲学史から未来へ

目次

I 富:「承認」への欲望
深度0 2019年:「富」の魔法
深度2 1867年:マルクスの価値形態論
深度3 1759年:アダム・スミスの道徳論
深度4 1517年:プロテスタント神学の救済論
II 美:「尊さ」への欲望
深度0 2019年:「美」の消費
深度1 1979年:「大きな物語の終焉」
深度2 1800年:「芸術」という神話
深度4 1590年:「何かよくわからないもの」の優美=恩寵
III 科学:「進歩」への欲望
深度0 2020年:「科学」の信仰
深度1 1962年:クーンの「通常科学」
深度4 1543~1687年:近代科学の「パラダイム」
IV 正義:「権利」への欲望
深度0 2017年:「正義」の揺らぎ
深度1 1962~71年:リベラリズムの「理想」
深度4 1690年:自然権のゆくえ
V 私:「ありのまま」への欲望
深度0 2020年:「私」の全肯定
深度3 1781年:カントの「理性」
深度4 1641年:デカルトの「コギト」
深度1 1923年:無意識を操作する広告技術
欲望の哲学史から未来へ
深度4 ~1699年:脱権威の欲望
深度3 1700~99年:世俗化の欲望
深度2 1800~99年:産業化の欲望
深度1 1900~99年:民主化の欲望
グラウンド・ゼロ 2021年~:あとがきに代えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

はとむぎ

11
富 美 科学 正義 私 五つの概念の成り立ちを深掘りする。人の脳は、複雑な物を構築するが一旦それを概念にまとめる。その成り立ちは忘れられ、概念は独り歩きする。手段が目的化するってよく起こる。脳はさぼってエネルギー消費を出来るだけ少なくするように進化したのだろう。2023/06/18

Hiroki Nishizumi

2
入門書であるが、考える端緒として有効と感じた。大きく物事を考えようという気になった。2024/07/13

さゆう

2
昨今の事例を元に、「富」「美」「科学」「正義」「私」といった価値観がどのように形成されたのか、その源流をたどるのが本書の取組みである。共通して警告されるのは、「主観的に判断しているようで、私は私が所属する社会的な文脈で物事を判断している」という点である。なぜなら、私は経験の蓄積で形成されるためだ。社会は個人を特定の思想(≠正しさ)に扇動し、私を作り出す。しかし、罪や罰が発生した際にその責任は個人に帰する。そのため、私たちは一度自分の足元を支えてきた社会を見詰め直す必要がある。そのために本書は源流をたどる。2023/06/04

イシュア

1
各テーマに関する概説書という感じであった。とっかかりとして良いのかな。2023/10/22

Go Extreme

1
富ー承認への欲望: 「富」の魔法 マルクスの価値形態論 アダム・スミスの道徳論 プロテスタント神学の救済論 美ー尊さへの欲望: 「美」の消費 「大きな物語の終焉」「芸術」という神話「何かよくわからないもの」の優美=恩寵 科学ー進歩への欲望: 「科学」の信仰 クーンの「通常科学」 近代科学のパラダイム 正義ー権利への欲望: 「正義」の揺らぎ リベラリズムの「理想」 自然権のゆくえ 私ーありのままへの欲望: 「私」の全肯定 カントの「理性」 デカルトのコギト 無意識を操作する広告技術 欲望の哲学史から未来へ2021/08/30

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