内容説明
杉廻漕に命をかけた男たちの矜持と侠気。
目指すは江戸!
首尾よく運べば四千両の儲け。逆目が出たら四千両の損。
窮地に立たされた材木商を救う伊豆晋平の奇策に箱崎の貸元が乗った。
迫り来る嵐と大波に翻弄されながら凄絶な海との戦いを描く長篇時代小説。
材木商の陣左衛門は途方に暮れていた。
請け負った熊野杉が時化(しけ)で流され、熱田湊にある残りも先払いがないと動かせない。
事情を知った壊し屋稼業の晋平は、話を渡世人のあやめの恒吉につなぐ。
先払いの四千両を恒吉が持ち、杉を江戸に廻漕できれば四千両の見返り。しくじれば丸損。
恒吉は代貸しの暁朗に一切を任せて熱田湊に送り込む。
商人の矜持に渡世人気質が助っ人して、乾坤一擲の大勝負!
迫り来る嵐と大波に翻弄されながら凄絶な海との戦いを描く長篇時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきのぶ
1
晋平の矢立の続編。だが、主人公は代貸暁朗。2022/01/15
Naoko Fukumi Fujita
0
一番好きな作家の文庫本、巻末の2013年1月の縄田一男解説によると2010年1月、徳間書店から刊行とある。2013年2月徳間文庫より刊行、この度新装版として2021年7月発行。前作最終章の「砂糖壺」について今回解説されていたことがファンとして素直にうれしい。「晋平の矢立」の続編的な連作的な位置づけ。本書もリズム感がよく、読みやすく特に後半は一気読み。雨天の続いた後にちょうど読み終わったからでしょうか、特別すがすがしさを感じた一冊。2021/09/07