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内容説明
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卵を守り、幼虫のために食べ物を運びます。
九州と沖縄の里山に生えるボロボロノキ。
細い枝が折れやすいことから、この名前がつきました。
このボロボロノキの近くでは、まっ赤なカメムシの集団が見つかります。
このベニツチカメムシには、不思議な習性があります。
卵を産んだおかあさんは、お腹に卵をかかえて、大事に守ります。
そして、卵から幼虫が生まれる直前、クリームのような液体を卵にかけます。
この液体には、おかあさんの腸内の共生細菌が入っていて、生まれた幼虫たちが食べる最初の食べ物になります。
幼虫たちが生まれると、おかあさんは、巣から外に出て、ボロボロノキの実をさがし歩きます。
実の重さは、おかあさんの体重の1.5倍もありますが、いっしょうけんめい、幼虫たちが待つ巣に持ち帰ります。
幼虫たちが育つためには、この実の汁が欠かせません。
しかも、実の汁を消化するためには、おかあさんからもらった共生細菌も必要なのです。
幼虫たちが、自分の力だけで食べ物を見つけるようになると、やがて、おかあさんは……。
人々の暮らしのすぐそばで、毎年、くり返される、ベニツチカメムシの細やかな子育てとボロボロノキの四季のうつろいを描く写真絵本です。
(底本 2021年7月発行作品)
※この作品はカラー版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
9
新開孝さんの写真を求めて。ベニツチカメムシの鮮やかな赤はまるでジャングルの熱帯地方の虫のよう。背中の模様もどこかおおどかでユーモラス。そしてまた食生の木が、「ボロボロノキ」とは!!なんという直截的な身も蓋もない名前か!?と、のっけから驚きの連続で、楽しい読書でした。ベニツチカメムシの健気な子育てのようすは本当に感情があるかのようで、感心しきり。不思議な団子状の集団から、何ヶ月も食べずに生きられることから、虫の凄さ、おもしろさを再認識しました。2021/09/16
やん
1
何年か前、暗い山の中を歩いていると、突然数百匹の虫の集団が木に群がっているのに出くわして飛び上がった。赤と黒の特徴的な模様で、検索してみるとベニツチカメムシという子育てをする虫だった。これまで数回出くわしたことがあるが、本書の37ページ以上の密集状態なのでそのたびにびっくりしてしまう。この虫について詳しいことは知らなかったので、本書を読んでとても勉強になった。また出会うことがあったらじっくり観察してみよう。集合体恐怖症の人にはお勧めできない光景ではある(自分も少しその気があるのかも)。2022/06/25
たくさん
1
カメムシってなんか地味でくさいイメージしかなかったけど、メニツチカメムシのこの朱色と黒のコントラストが森の緑と光の写真の明るさと相まってとてもきれい。こういうのは応援したくなる虫だけど、カメムシなんだよね?ふむ。2021/12/19
ごん
0
カメムシをちょっと好きになるかな〜と思ったけど、そうでもなかったけど、でも「虫でも必死に子育てしてるんだなー。」と考えたりはした。今いろんな事件があるから…。2022/11/10