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内容説明
お母さんは私が嫌いなの――? それは愛情か、執着か、それとも虐待か。そして、毒を放つのは「親」だけなのか。断ちがたい親との関係、家の呪縛、家と親の圧力に深く切り込むコミックエッセイ。 ――エイトとアサは一軒家に住む若夫婦。転職を繰り返す夫を心配しながらも、家を整えささやかな暮らしを営むアサ。やがて待望の第一子を授かるが、孫の顔を見るためにと頻繁に訪ねてくる実母の言動にアサの苦悩は尽きず、幼い頃の記憶がよみがえる……。ウェブサイト「よみタイ」で大好評の連載、「家」の謎が解き明かされる描き下ろしと小島慶子さんの巻末エッセイを加え、待望の書籍化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
59
新刊。結婚後も子どもが生まれてからも、人生のあちこちに毒親である母の影響が出まくる様が描かれる。毒母✖️主人公の長女だけではなく、義母✖️夫のちょっと拗れた関係も描かれているところが興味深い。最近物凄い毒親エッセイが多いけど、書籍化できるほどじゃなくても鬱屈を抱えている人はたくさんいるはず(自分もその1人)。お互いに問題に向き合わないが故に、夫婦関係もうまく行かないのは説得力があるな…というか毒親や主人公だけじゃなくみんな歪んでる!アーママは心強かった。エイトの黒い目は改善されたのかな…2021/07/18
ででんでん
55
心の声の描写が怖ろしかった。支配ということは、こういうことなのかと。何年も何十年も影響を及ぼしていくのか。あささん、とてもがんばったなあ。夫の実家も、また違う形の支配があった。最後、目を疑うひとコマがあり、もやもやと不穏ななかに本を閉じた。2023/10/12
たまきら
44
毒親系のコミックエッセイは数多くあれど、この本ぐらい救いがないものも珍しいです。完璧な親などいません。自分も良かれと思って娘に自分の価値観を押し付けていると思います。けれども母親を一度も母親として描いていない作品は初めて。温かい絵なのに生臭いものが立ち上ってきてぞっとしました。読みながら父親に疎まれ母姉と疎遠になり子供全員に否定され夫には「あの女」呼ばわりされるお母さんのことを思いました。彼女が怒りを鎮め、許しの力を得られますように…。2022/07/06
めぐ
6
毒親持ちが育児をしながら母親の影に怯える話。親に愛されなかった子はいつも体の奥で嵐が吹きすさんでいてそれが何かの拍子に幸せを食い破って出てこようとする、という表現は分かりすぎる程分かる。何か嫌な事があるとまずチラつくのが自殺というワードだったり、何をしていても無意識に自虐していたりしつつも子供には普通に振る舞う、連鎖を断つ為に2022/01/22
サクラ
5
今は何でもかんでも“毒親”で片付けてるけど、これはそんな生易しいものではないと思います。アサさんの心の持ちようが正に“不屈”。ただ、アサさんのお母さんにもケアがあればな、と思いました。2022/06/17