内容説明
自死遺族の苦悩と葛藤をリアルに描く衝撃作。
人見由愛の兄・典洋が高校でのいじめに耐えられず、自ら命を絶ってから4年後の家族の物語。由愛は高校3年。兄の心の声に気づけなかった自分を責めながらも、親友の三葉に救われながら前向きに生きている。母親の伊代は今も息子の死を受け入れられず、無念をはらそうと裁判を起こす。家庭も仕事もうまくいかない父親はアルコールに依存。家族は崩壊寸前だった。
一方、伊代からの依頼で典洋の裁判を取材することになった新聞記者・大同要もまた、自身のトラウマと葛藤し、カウンセリングに通う日々。記者として裁判を傍聴するうち、次第に人見一家に深入りしていく。そして由愛のまっすぐな生き方に、要のかたくなな心も動き始める。
裁判では、典洋をいじめた首謀者の同級生、当時の担任、顧問、かつては典洋の親友でもあった由愛の初恋相手の翔が、証言台に立っていく。誰一人いじめを認めないまま淡々と続く裁判。このままでは何一つ変わらない、私たち家族が沈んでいくだけ、と悟った由愛は、ある重大な決意をするが……。
文庫化にあたり、お笑いタレントの白鳥久美子氏が巻末解説を特別寄稿。いじめを経験したからこその視点で物語を読み解く。
※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜桜キハ
26
いじめによって自殺した兄。 母は、いじめっ子に「いじめ」を認めさせたい一心で裁判に通う。 まるで裁判に勝っていじめっ子を謝らせたら兄が生き返るかのように、兄の裁判しか考えられなくなった母、アルコール依存症になってしまった父──。 妹、由愛の家族は崩壊寸前だった。 「死にたい、ですか」読んでいくとこの言葉が投げかけられる。 いじめについて、死について。 考えさせられる深き感動小説です。2022/12/22
kuma
12
読み進めるのが辛かった。2023/09/24
こばゆみ
9
んーーー結局何が言いたかったのかなーと思ってしまった💦いじめを苦に自殺した典洋の母が、学校と加害者を相手取り裁判を起こす、それを取材する新聞記者、兄の死を期に崩壊した家族を憂う妹、反省する気のない加害者たち…いろんな話題が出てくるのだけれど、どれも中途半端な気がして😅恋愛要素もあるし、中高生ならば興味深く読むのかな、、、2021/08/21
タキ
5
うーん個人的にはイマイチ。こういういじめを扱った小説は、ちゃんとそれまでは上手くいっていた家族が崩壊していく過程をきっちり書かないとあまり入っていけないし、結果としてクサい台詞の応酬に陥り説得力がなくなってしまうんじゃないかと思う。裁判のシーン、個人の罪悪感と組織のしがらみで言いたい事を何も証言出来ない様は裁判のシステムそのものがいじめを肯定しているようで読んでてなかなか辛かった…。2021/09/20
くらーく
3
初読み作家さん。結構、重い題材を扱っているけど、ぐいぐいと引っ張る筆力があるんじゃないかなあ。 まあ、主人公のラブロマンス?はどうかと思わない事も無いけど、それはオジサンだから思うのかも。若い人はピュアなんだね。 しかし、どうしてそんなにいじめがあるのかねえ。小説だけど、実際にそんなにいじめがあるのかなあ。自分(達?)の子供のころもいじめはありましたが、一方で、弱いものいじめは卑怯だ、と言う教えもあったけどなあ。2021/08/12
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