エビとカニの博物誌 - 世界の切手になった甲殻類

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エビとカニの博物誌 - 世界の切手になった甲殻類

  • 著者名:大森信
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 築地書館(2021/06発売)
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  • ISBN:9784806716228

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内容説明

オスからメスへと性転換するタラバエビ、ウツボの掃除屋アカシマシラヒゲエビ、満月の夜に旅立つオカガニの幼生たち、シオマネキが招くのは潮ではなくメス……原始の時代から海や川や陸上にまで生息し、生業や食料として人びとの暮らしと密接に関わってきたエビやカニなどの甲殻類は、その身近さから世界中で郵便切手に描かれて親しまれてきた。その生態や文化との関わりを、60年にわたって海洋生物研究を続ける著者が紹介。

目次

はじめに

1 甲殻類の郵便切手と分類学
2 アルテミア ホウネンエビモドキ科
3 ゾウミジンコ ゾウミジンコ科
4 コペポーダ(カイアシ類) カラヌス科、ユウキータ科、ポンテラ科
a. 海のコメ、カラヌス目 b. 海は未来への遺産
5 カメノテとエボシガイ ミョウガガイ科、エボシガイ科
[コラム1]切手を集める
6 フジツボ フジツボ科、オニフジツボ科
a. タテジマフジツボ b. フジツボを食べる c. クジラに付くフジツボ
7 シャコの仲間 シャコ科、トラフシャコ科
8 アミの仲間 アミ科
9 クーマの仲間 ナナスタシア科
10 等脚類 オカダンゴムシ科、ミズムシ科、トガリヘラムシ科、コツブムシ科
11 端脚類 ヨコエビ科、アマリリス科、ハマトビムシ科、ヒヤレラ科、フクロウミノミ科、クラゲノミ科
a. ハマトビムシとフクロウミノミとクラゲノミ
b. 温泉に棲むヨコエビ、アチチ君
12 オキアミの仲間 オキアミ科
a. ナンキョクオキアミ b. 北の海のオキアミ
13 カニのゾエア幼生とカルロス1世
[コラム2]甲殻類の発生と脱皮
14 深海を泳ぐエビ チヒロエビ科
15 クルマエビの仲間 クルマエビ科
a. インド・西太平洋のクルマエビ類 b. 東太平洋のクルマエビ類
c. 大西洋のクルマエビ類 d. エビの背わた
16 タラバエビの仲間 タラバエビ科
a. 大きい個体はすべてメス b. 泉のジンケンエビ
17 切手になっていないシラエビとサクラエビ オキエビ科、サクラエビ科
18 テッポウエビの仲間 テッポウエビ科
a. テッポウエビとハゼの共棲 b. 衝撃波で棲みかを守る
19 さんご礁の外科医 オトヒメエビ科
20 さんご礁の色鮮やかな忍者たち(1) ヒゲナガモエビ科、ヒメサンゴモエビ科、リュウグウモエビ科
a. ウツボの掃除屋の変わったカップル生活 b. サンゴの上のシャチホコ
c. ヴァツレレ島の赤いエビ
21 さんご礁の色鮮やかな忍者たち(2) サラサエビ科、テナガエビ科
a. 水族館の人気者 b. ヒトデを食べるエビ
22 テナガエビの仲間 テナガエビ科
a. 青いアオザイ b. 大きい卵と小さい卵 c. エビの聴覚
d. 多様な共生生活 e. 海のマルハナバチ
23 川のイエローノーズ キホカリス科
24 ザリガニの仲間 ザリガニ科、アメリカザリガニ科、アジアザリガニ科、ミナミザリガニ科
a. アメリカザリガニとチョウセンザリガニ
b. ヨーロッパアカアシザリガニとシロアシザリガニ
c. 世界最初のザリガニの切手 d. ミナミザリガニ
25 ロブスター アカザエビ科
a. ウッズホールのロブスター b. クラムベイク
26 ヨーロッパアカザエビ アカザエビ科
27 水族館の人気者 ショウグンエビ科
28 釣りの餌 カリキリ科
29 化石のエビと生きた化石のエビ エリオン科、センジュエビ科
30 王者の貫禄、イセエビ類 イセエビ科
a. 海の翁 b. 海流の道 c. 赤いせえび、青いせえび
d. カリブイセエビの行進 e. ブルターニュ地方のラングスト
f. 南の冷たい海の美果
[コラム3]混ぜて減らす
31 泥底に潜む異相のエビたち セミエビ科
32 ヤドカリの仲間 ヤドカリ科、ホンヤドカリ科、オカヤドカリ科
a. 磯の人気者たち b. ヤシガニ
33 タラバガニの仲間 タラバガニ科
a. タラバガニを釣った b. 全身とげだらけ
c. パタゴニアのミナミタラバガニ
34 コシオリエビの仲間 コシオリエビ科、チュウコシオリエビ科、シンカイコシオリエビ科、カニダマシ科
a. 海上を赤く染める大群 b. 切手になった新種 c. カニだまし
35 カイメンを背負って カイカムリ科
36 アサヒガニ アサヒガニ科
37 カラッパの仲間 カラッパ科、キンセンガニ科
a. 恥ずかしがり屋のカニ b. キンセンガニを食べる?
38 クモガニの仲間 ケアシガニ科、クモガニ科、ケセンガニ科、モガニ科、ミトラクス科、イッカククモガニ科
a. ズワイガニ b. 殻も役に立つ c. タカアシガニ
d. 雄大なオスのハサミ e. アシダカグモのようなカニ
39 ヒシガニの巨大なクレーン ヒシガニ科
40 ケガニ クリガニ科
41 イチョウガニの仲間 イチョウガニ科
a. ヨーロッパイチョウガニ b. ヨナクラブとダンジネスクラブ
42 ガザミの仲間 ガザミ科、ヒラツメガニ科、シワガザミ科、ミドリガニ科、オオエンコウガニ科
a. 江戸前の味 b. アミメノコギリガザミとヒラツメガニ
c. 脱皮と自割とクッキング d. アンコーナのブイヤベース
e. わたりがに4 種 f. オオエンコウガニ
43 熱水噴出孔に棲むカニ ユノハナガニ科
44 サンゴガニの仲間 サンゴガニ科、ヒメサンゴガニ科
45 ユウモンガニの仲間 ユウモンガニ科
46 オウギガニの仲間 オウギガニ科、パノペウス科
a. 変化に富む甲の色と紋様 b. カニの毒
c. 両手にイソギンチャク d. 密かにやってきたミナトオウギガニ
47 イワオウギガニの仲間 イワオウギガニ科、イソオウギガニ科、スベスベオウギガニ科
a. 名画になったカニ b. フロリダイシガニのハサミ
c. 歌舞伎役者のようなクマドリオウギガニ
48 目立たないカニ ケブカガニ科
49 陸に上がったカニたち イワガニ科、オカガニ科、トゲアシガニ科
a. 土手くずし b. 岩場を走るカニ
c. アセンション島のイワガニとオカガニ d. 幼生の放出
e. クリスマス島の赤いオカガニ
50 マングローブに棲むカニ ベンケイガニ科、イワガニ科
51 チュウゴクモクズガニの明と暗 モクズガニ科
52 サワガニの仲間 サワガニ科、シウドテルフーサ科
53 スナガニの仲間 スナガニ科、ミナミコメツキガニ科
a. けわしい恋の道 b. がん漬け c. 幽霊ガニ d. ミナミコメツキガニ
54 カニ座の切手

おわりに
引用文献
生物名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

104
副題は世界の切手になった甲殻類。切手マニアで大学の名誉教授でもある著者が300枚の切手とともに世界を旅する。切手収集にはトピカルといって例えば鳥、犬といったジャンルで収集するやり方がある。著者はそのうちエビとカニが専門、豊富な博物知識とそのえび。カニの食としての感想が書かれており楽しめた一冊だった。それにしても世界にはエビ、カニの種類の豊富さに驚いた。切手になっていないものも含めるとどれくらいあるのだろう。私の本棚に入っているストックブックにもわずかながら切手が入っている。早々に探してみたい。図書館本2021/08/01

yoneyama

13
著者の大森さんは山岳部先輩。今年春に亡くなり、あらためて読み直す。専門研究分野の甲殻類に関する世界の切手から300枚の話。エビ・カニなんて特に興味はないのに読むと面白い。研究で訪れた世界各地の歴史や食文化が盛り込まれていて、専門の発生学や分類学的な話が違和感なく入ってくる。オランダの骨董市の傍らで、収集切手帳を見せ合う人達を見たのがきっかけだったという。真の教養とはこういうものではないか。海の底に、寿命10年ほどの生き物が次々に変態を重ねてカンブリア紀から延々生きつないできた。思いを馳せる。 2022/08/01

Arisaku_0225

12
2021年発行。エビとカニと題にあるものの、ミジンコやヤドカリを含めた甲殻類を網羅的に解説する。切手の話より、切手になった種の生物学的説明と美味しいか否かの話が中心で、生物好きとしては大変楽しめたが、なぜ切手に描かれているかの説明は少なかったので切手好きの人は不満が残りそう。コラムも少々専門的な内容で甲殻類ビギナーから専門家まで楽しめると思う。かくいう私も甲殻類の勉強のために読んだ。オキアミとアミエビとサクラエビが別の分類群であったり、イセエビの仲間は世界中にいたり知らないことだらけだった。2023/11/02

J D

4
 世界のエビとカニがモチーフにされた切手を紹介しながら、その生態やそれにまつわる著者の思い出話などがなされます。文章もとてもきれいで読みやすかった。2022/03/10

kaz

3
専ら切手を眺めて終わり。ズワイガニなど特産品になるようなそれなりの大きさのエビやカニならわかるが、ミジンコやフジツボ、アミなどまで切手になっているとは驚き。かつて話題になったバナメイエビがエクアドルやコスタリカの切手になっているのも面白い。本土復帰前の沖縄(琉球)の切手も紹介されている。図書館の内容紹介は『人びとの暮らしと密接に関わってきたエビやカニなどの甲殻類は、世界中で郵便切手に描かれて親しまれてきた。郵便切手をもとに、甲殻類の生態や文化との関わりを、豊富な知識と経験に基づいて紹介する』。2021/07/20

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