内容説明
夏目漱石、親鸞、織田信長、明智光秀、勝海舟と西郷隆盛、永井荷風、小林一茶、良寛、太閤秀吉、細川ガラシャ……歴史を彩る文人や武人、22人の手紙。
無心状であれ、恋文であれ、遺書であれ、それらは真率な感情が綴られ、思わず笑ってしまったり、あるいは襟を正したり。
「いろんな人たちと一杯やりながらの会話を楽しむつもり」で、歴史探偵・半藤さんが美しい日本の手紙を読み解いた名著復刊!
ラインやメール全盛の今だからこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
penguin-blue
38
歴史上で見える人物の「描かれ方」はその時の歴史の流れや、運不運、その後の時代の評価等にいろいろ影響を受けるけれど、その点手紙はストレートにその人の人となりを垣間見せてくれる。戦国武将や幕末の志士たちは手紙が公開されないまでもドラマとかでその人となりを描かれることが多いので、どちらかというといわゆる文人や妻妾たちの手紙の方が面白かった。一茶の狷介さや、良寛の人間味あふれる無心の手紙、そして作者自身が交流があった小泉信三の息子への手紙。世に出ると思って書いたものでないからこそ、手紙はまた魅力的だ。2021/10/28
Ryoko
1
面白かった。残された手紙から、その人となりを分析する。登場するのは一茶、漱石、信長、細川ガラシャなど。一茶の欲望のままに生きた姿には悪い意味で驚き。ガラシャは性格があまりよろしくなかったと書かれていて、それもよく言われるガラシャのイメージと違い新鮮ではあった。事実はわからないが。恋文は残さない方がいいですね。書いた当人も時が経てば恥ずかしいだろうし、当人以外も目にした時、どうしたらいいのやら(笑)。そう思ったのは谷崎潤一郎のラブレターで。そのラブレターもある意味、名作。2021/10/07
数太郎
0
手紙を通じ、偉人たちの息遣いが聞こえる一冊。2024/07/27