内容説明
駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で愛にあふれた同棲生活を送っている。家族のいない日菜に「夢の家」を建ててあげたい、そのために建築家として名を上げたいと願う誠だったが、ある雨の日、日菜と一緒にバイク事故で瀕死の重傷を負ってしまう。目を覚ました彼らの前に、“案内人”と名乗る喪服姿の男女が現れる。そして誠と日菜は、二人合わせて二十年の余命を授かり、生き返ることに。しかしそれは、互いの命を奪い合うという、あまりにも苛酷で切ない日々のはじまりだった――。この恋の結末に、涙せずにはいられない。『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。
目次
プロローグ 二人の死
第一章 二人の夢
間章
第二章 二人の奇跡
間章
第三章 二人の幸せ
エピローグ 二人の降らす雨
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
91
幸福体質、羨ましい。それは良いことだと思う。 私は、相手が幸せなら、自分の命はもうどうなってもいいと思う。後半は2人の寿命のバランスをとるのにも慣れてきて、安定してくる。40年連れ添ったベテラン夫婦の磐田さんからのアドバイス。好きな人と一緒に生きてゆくには「ごめんねと、ありがとうだ」たった2つの言葉しかいらない。ライフシェアリング。これは奇跡なのか?深く考えさせられる。ラストの「ありがとうキョロちゃん」は泣ける。ファンタジー。中学生には感動できるストーリーなのかも。2022/03/02
チーママ
59
やっぱり泣いた。ライフシェアリングという現実離れしたあり得ない設定なのに、この気持ちの動きは何だったのだろう。微かに残る自分の中のピュアな部分がジンジンと思い出したように反応した。雨の日は。いいえ雨の日こそ人を思いやれる優しい私になりたいと思った。読み友さんにオススメいただいて出会えた本。ありがとうございました。2022/12/17
かすみん
53
雨をきっかけに始まる恋、雨の日に起こる突然の事故。 「ライフシェアリング」を通じて様々な出来事が起こり。 二人で生きる幸せとは?を考えさせてくれた作品でした。2022/06/28
PEN-F
49
「この雨は君を想って僕が降らせたんだよ」だって😍 ….しとしと降る雨ならともかく、猛烈な豪雨だとしたらだいぶ事情が違ってくるな🤔2021/09/26
ムーミン
44
悲しくて切なくて、でも美しい。2021/09/13