内容説明
かつてない量の雨が日本列島を襲っている。頭上の雨だけを見ていても水土砂災害は分からない。雨は流域で集められ、災害を引き起こすからだ。生きのびるために、いまこそ、流域思考を身に着けよう!
目次
長いまえがき〈なぜいまこの本を出版するのか〉
豪雨災害の時代がはじまっている
「流域」を知らないと命が危ない
足元の「流域」から都市を考える
第一章 流域とはなにか
1 流域の基本構造
地球は水循環の惑星だ
流域を多面的に理解しよう
流域がつくり出す流水の姿
2 流域の水循環機能
流れる水と地面の関係
雨水はどのようにして川の水になるのか
3 「流域」の機能を理解するための基礎知識
ハイドログラフって?
降雨のパターンで見てみよう
保水と遊水
大きな森は大きな保水力を持っているから安全!?
急傾斜の流域では
流域の形と流出パターン
雨のパターンで考える
4 流域治水の時代がやってきた
なぜ流域治水へと大転換したのか
あふれさせる治水とは
〈コラム〉流域という日本語について
流域の英語について
河川・水系・流域
洪水
第二章 鶴見川流域で行われてきた総合治水
1 鶴見川では流域治水が四十一年前から
鶴見川はどんな川?
いち早く「流域思考」で新しい治水方式に取り組む
総合治水・流域整備計画はどのように行われたのか
大規模緑地で生物多様性モデルを保全
2 目に見える成果が出た
大氾濫が止まっている
三〇〇㎜規模の豪雨でも大氾濫しない川に!
大型台風襲来も多目的遊水地が大活躍しラグビーの試合は開催
一五〇年に一度の豪雨を想定
流域思考は応用が利く
3 総合治水を応援する市民や企業が登場
TRネットの登場
環境分野での連携が鍵
総合治水対策から水マスタープランの流域へ
4 流域開発への対応から温暖化未来への挑戦
流域規模で都市構造から考え直さなければ
5 総合治水の流域拠点探検隊
河口~源流~そして再び河口へ
6 流域治水はこれからどんな道を歩むのか
鶴見川流域の実践はモデルとなるか
自然と共生する持続可能な都市づくりを支える流域思考
第三章 持続可能な暮らしを実現するために
1 生命圏再適応という課題
地球環境は危機の真っただ中
わたしたちと地図の関係
流域地図を共有しよう
2 さらに先の未来を考える
流域は大地の細胞
流域思考で生命圏に適応してゆく
3 鶴見川流域での三つの実践
流域学習コミュニティを工夫し励ましてゆく
流域スタンプラリー
水マスタープラン応援の実践拠点
あとがき
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