- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
趣味――それは、他人には理解しがたい事物を、心行くままに楽しむ時間。本来は同じ趣味を持つ者、あるいはひとりで没入するものであるが、ときにそんな〝閉じた〟はずの世界に、招かれざる闖入者が現れることがある。
特殊な趣味が招き寄せた、人非ざるモノ、常ならざる存在、身を貫くような悪意……〝怪異〟である。
一風変わった趣味を持つ人々が遭遇した恐るべき怪異を、正木信太郎(『異職怪談』)、しのはら史絵(『弔い怪談 葬歌』)、夜馬裕(三代目怪談最恐位/『厭談 祟ノ怪』)、若本衣織(『実話怪談NEXT』)が紡ぐ。
トレイルランニングで訪れた山で遭遇した恐るべきもの、懸賞マニアのもとに届けられる謎の当選通知、球体関節人形作りのサークルで出会った不気味な受講生、ソロキャンパーのテントを襲った恐怖、道路標識マニアを引き寄せる驚愕の因縁、山奥の廃ホテルで廃墟愛好家を襲う戦慄の足音……など、21の怪異譚を収録。
怪異はあなたのそばに広がっている。趣味にまつわる戦慄の実話怪談アンソロジー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鷺@みんさー
25
実話怪談と銘打っていても、創作や盛りの多寡はあるだろう。私が怪談に求めるものはそういう意味でのリアリティではない。ただ、面白く怖ければそれで良い、と思っている。…だからこそ。正木氏の時計の話はなぁ…途中まで良かっただけになぁ…いやー、ないわぁ。だから嫌いなんだってこの手法。よもや怪談でこれをされるとは…ガックシ。あとラストの怪談収集家の話も、楽屋オチなんだかなんかもう…うん、好みじゃないわ。当選通知の話は面白かった。あとは厄拾いのやつが面白かった。湧き続ける廃墟と脱け殻コレクションが奇異でよい感じ。2022/03/14
澤水月
12
去年は特殊な職業、今年は趣味。クルマ趣味の「草ヒロ」て言葉を初めて知り収穫。書き手増えたらかなり玉石が…趣味はどれも面白い。コロナ禍もあり大変そう。「実話じゃないやんけ」は別によくてテキストのみ勝負の怪談として面白けりゃいいと思う自分には夜馬裕氏のは全て面白かった。抜け殻コレクター!2021/10/19
qoop
12
珍しい趣味を楽しむ渦中で怪異に出会う…そんな怪談を集めようという挑戦的なコンセプトが素晴らしい。あとがきにもあるが、全編通じて趣味の説明をくどく書かずスムーズに怪異とつなげる工夫が感じられ、怪異の内容以前に好印象。ただ収録作の中には実話と言われてもな〜…というものもない訳ではない。特殊な趣味だけに、個人の特定を避けるためにアレンジ効かせすぎだのかもしれないが…2021/07/10
eyemu
6
同じような趣味が好きなら、もっと面白かっただろうけど。 ちょっと、趣味が遠すぎた。 麻雀、好き。2024/06/07
あき
4
色んな趣味を楽しんでいるときに遭遇した怪異を集めた怪談集。怖い目にあったからといって好きでハマってる趣味を諦めたくはないよねえ。それをきっかけに止めた方が良いだろうという眉を顰めるような趣味もあったけど。2023/11/02