集英社新書<br> 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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集英社新書
「自由」の危機 ――息苦しさの正体

  • ISBN:9784087211702

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内容説明

あいちトリエンナーレ2019、日本学術会議 会員任命拒否、検察官定年延長、加計学園問題……今、起きている出来事の本質を見抜くための論考集。
「百人組手で知性を鍛え、不当性に抗う訓練になる一冊」――荻上チキ(評論家)
あらゆる「自由」が失われつつある中で、研究者・作家・芸術家・記者などが理不尽な権力の介入に対して異議申し立てを行う。少しでも声を上げやすい世の中になるようにと願って26名の論者が集い、「自由」について根源的に掘り下げる。
批判的思考を養うための書!
【本文より】
表現の範囲がどんどん狭まっている――ヤマザキマリ
批判精神に欠けた学者に囲まれた政府は、端的にいって災厄――藤原辰史
アーティストやタレントが政治的な発言をするたびに、猛バッシングを受けますが、彼らも市民の一人です。政治的発言をしてはならない理由がわかりません――上野千鶴子
私たち日本人は「自由は取扱いの難しいものだ」という実感に乏しいように思われる――内田樹

目次

まえがき
第一章 切り崩される学問の自由(藤原辰史・歴史学者 それは何か信じられないことが起こる前触れ/姜尚中・政治学者 学問の自由は誰のためのものなのか/隠岐さや香・科学史研究者 未来世代の「自由」を殺さないために/池内了・物理学者 「学問の自由」と軍事研究/佐藤学・教育学者 学問の危機の行方/杉田敦・政治学者 大学の自治は自由の砦/阿部公彦・英米文学者 国策は学問を育てられるのか/石川健治・憲法学者×望月衣塑子・新聞記者 「自由」が奪われるときの危険な兆候を見抜く)
第二章 文化芸術の自由は誰のためにあるのか(津田大介・ジャーナリスト 「自由」を守るのは、対話を通して生まれるシティズンシップ/会田誠・美術家 すべての作品には発表の自由がある/山田和樹・指揮者 音楽と自由/ヤマザキマリ・漫画家 「世間体の戒律」から自由になるには/平田オリザ・劇作家 迫り来るファシズムの時代に/桐野夏生・小説家 恐怖を感じてもなお書き続ける/永井愛・劇作家 メディアによる忖度の構造/村山由佳・小説家 水はいきなり煮え湯にならない)
第三章 いま、声を上げる自由を(上野千鶴子・社会学者 私はバックラッシュサバイバーである/小熊英二・歴史社会学者 「自由」に必要なのは、対話と応答に対する信頼/山崎雅弘・戦史・紛争史研究家 守るべきは自由/苫野一徳・哲学者 「自由な社会」を先に進める/高橋哲哉・哲学者 「自由」への渇望はあるか/前川喜平・元文部科学省事務次官 教育から「自由」が奪われ続けている/鈴木大裕・高知県土佐町町議会議員・教育研究者 新自由主義時代の「富国強兵」教育/堤未果・国際ジャーナリスト 政府のやることに偶然はない)
終章 自由を扱う技術(内田樹・思想家 アメリカにおける自由と統制)
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

71
まさに、この国の劣化への危機感の表出。意図も持った輩の狡猾かつ、非礼は動きへの真摯な意思表明。とにかく、耳障りな意思を無視し、丁寧に説明すると言いながら、真逆の対応することが蔓延っている。しかも、それに慣らされるように仕向ける風潮に慣れてはいけない。後世への負の遺産になってしまう。2021/10/10

かんらんしゃ🎡

36
日本学術会議任命拒否ってのが少し前にあった。ザックリ言えば政府にもの申し、軍事化にブレーキをかける学者がオミットされたって事。これが問題なのは軍拡の良し悪しではなく、言論や上申の自由を政府が奪った事だ。その前年にも「表現の不自由展・その後」の補助金がカットされた。これも根は同じ。権力者が気に入らんモノは排除する。検察官定年延長、加計学園も元総理の極めて個人的な意向。総理が三度変わっても、なお地中には根っこが残り芽吹く時を狙っていそうだ。2025/05/30

山口透析鉄

33
これも市の図書館本です。スガーリンによる日本学術会議任命拒否の問題に関連し、広い意味での自由の意味についてまで書かれた本です。当然ながらアベスガ政権の批判がメインですが、日の丸君が代強制やあいちトリエンナーレの問題、新型コロナパンデミック等も出てきています。 論者が多いので色んな観点から書かれていて、この問題、主流マスメディアも無責任でした。学問の自由も保証されないようでは日本は更に凋落するでしょう。悪夢そのものだった安倍政権、と書きたくなります。何一つまともなことをしていませんでしたので。(以下コメ欄)2024/11/09

花男

26
最近のいろんな出来事を考えさせられる。 税金でやるからこそ、表現の自由は保障されなければならない。(あいちトリエンナーレ) 日本学術会議の任命拒否のような事がこれから増えていくのだろうな。。ますます暴走していくのだろうか。2022/07/12

sansirou

20
学術会議の会員任命拒否を通して、日本政府の暴走に警鐘を鳴らす各界の人たち。今日の日本の状況を危機感を持って捉えている。私たち国民は、それを感じなければいけないのでしょう。2023/09/10

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