内容説明
ウンチ化石がもたらす壮大なサイエンスロマン。「生痕化石(せいこんかせき)」と呼ばれる、太古の生物の足跡、這い痕、巣穴、糞(ウンチ)などの化石。恐竜ティラノサウルスの骨格に比べればひどく地味だが、その研究からは生物の歴史、地球の歴史、そして宇宙の未来までが見えてくる。じつはウンと深く、蘊蓄(ウンチく)と含蓄に富む知(チ)的なストーリーを秘めているのだ。ティラノサウルスや首長竜のウンチ化石だってチ的に解釈するぞ。さらに生痕化石はわれわれが毎日通る道沿いの地層に隠れている可能性もある。著者は、生痕化石の研究によって壮大な「サイエンスのチ的地平」を切り開く若き古生物学者。地層をブラブラする科学的な楽しみもあわせてガイドする。
目次
まえがき
第一章 生痕化石とは何か?
第二章 ウンチ化石からわかること
第三章 ティラノサウルスと首長竜のウンチに挑む
第四章 ウンチ化石研究者が目指しているもの
第五章 生痕化石が地球の未来を語る?
第六章 地層ブラブラ:身近な楽しみとしての生痕学
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
活字スキー
27
【日本人は一人残らずウンチが大好きなのでは?と勘違いしてしまいそうになるくらい、ウンチは人々を魅了する。まさに、世は「ウンチを学び、ウンチで学ぶ」時代なのだ】……本当か?と真顔でツッコミつつ、古生物学のマイナージャンルである生痕化石研究に励む若手研究者の熱意がホカホカと伝わってくる、前野ウルド浩太郎『バッタを倒しに~』や荒木健太郎『雲を愛する技術』系のやつ。読んでるこっちも楽しいが、やってる本人が一番楽しそう。そしてやっぱり若手研究者は大変だ! 2021/04/22
hal
15
生痕化石学者によるエッセイ。著者の専門はウンチの化石だが、そういえば『どうぶつの森』で「意外と重要なんです」とかフータが言ってたような覚えがあり、つい借りてみた。内容は主に「どうすれば研究者になれるか」と「地層ブラブラしましょう」という事。ウンチに保護されて普通なら残らない筋肉組織とかも残るというのは面白いが、研究としてはまだそれほど進んでないのかという印象を持った。2021/05/24
ふたば
8
博物館に出掛けて行くと見かける生痕化石。ミュージアムショップでも見かけることがある。恐竜の骨や、アンモナイトなどの分かりやすい化石の陰にひっそりと存在している彼らだが、実はとても興味深く、様々なことを語りかけてくれる存在であるらしい。研究が、専門分野だけでなく、その他の多くの知識を必要とする者であること、過去を研究することで、未来が予測できること、そこには生痕化石が大きく寄与している。ウンチの化石は、見たことはあるが、そんなに深く考えてはこなかった。次に見るときには見方が変わりそうだ。2021/04/12
マサ
2
生痕化石(特に巣の跡)によって近年恐竜像に大きな変化進展があったことはニュース程度に知っていたが、この本は海底の泥砂の中に生息していた無脊椎動物の糞の化石に特化したものだ。地味だ。でもそこから数億年前からの地球環境の変化が想定されることに驚いた。2021/08/02
しょうゆ
2
帯にデカデカとティラノサウルスのウンチ化石が印刷されていて、見つけた瞬間買わずにはいられなかった。生痕化石の中でも糞の化石を専門に研究しているという筆者。最初から最後まで楽しそうに語っているのがとても良い。生痕化石の重要性がよくわかった。1番面白かったのは、自分の糞を化石化するためにはどうしたらよいか、という章。一見馬鹿げているようだが、糞が化石になるための環境や条件をわかりやすく説明してくれている。2021/05/11
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