内容説明
青春の頃、恋人を奪われた男が、25年振りにその友人に再会して知った新事実と、長い間、旧友に燃やし続けた敵愾心の真因を悟る「北国の春」、男手一つで育てた一人娘を嫁がせた父親が、旅先で、おきゃんなホステスにその孤独を癒される「凍れる樹」など、人間の深層にひそむ心の動きを鮮やかに描いた、傑作9編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
41
表題作『北国の春』:会社経営で多忙な香貫二郎は、銀婚式として結婚後初めての北陸旅行をする。金沢で、かつての恋敵の親友とその妻になっているはずの恋人に会うことにする。そんな夫を送り出す妻正枝は、初めての旅で浮き浮きしている。さて、香貫が友人宅を訪れると、妻となっている 女性が昔の恋人と違うことがわかる。かの女性は結婚してすぐに亡くなっていた。と同時にこれまで闘って来た親友と昔の恋人とのことが、気持ちを揺すぶるのだった。一体、何と闘っていたのかと。他8編も興味深く面白かった。2025/07/03
hirayama46
4
短編集。うーん、やっぱり面白いな……。妻が入院しているあいだに期間限定の愛人を金で買う「一年契約」はレンタル彼女みたいな話でしたし、「眼」はおねショタ的なところがないでもない……あまりにハードな話ではあるのですが。方向音痴のタクシードライバーとのやりとりが軽妙な「晴着」、なぜか修学旅行で般若の面を買った(わたしは絶対買いたくない)けど、不気味で嫌になったから親戚の家に寄ったら(修学旅行中に……)予想外の場面を目撃してしまい……という「面」もとても良かったです。2025/09/24
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