講談社文庫<br> ビアス怪談集

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講談社文庫
ビアス怪談集

  • ISBN:9784061331112

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内容説明

無気味な超自然の世界を描く世界代表怪談集。「ポーの再来」「短編の巧者」といわれるビアスの名作。人間の心に潜む超自然に対する恐怖心を鋭く捉え、簡潔直截な手法で描く! ――悪魔の辞典で知られるビアスは、短編小説を組み立てさせれば、彼ほど鋭い技巧家は少ない。評価がポーの再来というのは、確かにこの点でも当っている。そのうえ、彼が好んで描くのは、やはりポーと同じように、無気味な超自然の世界である……と芥川龍之介をして言わしめた。ビアスの短編中、怪奇と幻想に満ちた妖異談を選び、名だたる難文を見事な新訳にしておくる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mii22.

45
日本の怪談のような霊による不思議な現象から恐怖の体験。また、分かりにくいオチであったり、夢のように辻褄の合わないはっきりしないモヤモヤが残るものの、怖さはしっかり感じさせるようなお話まで色々。だがどれもじわじわと恐怖へと読者を導く語り口、表現方法が凄くいい。特にお気に入りは「猛烈な格闘」の月明かりと周りの木々の影により、横たわる死体が見るたびに生きているかのように動いて見え、恐怖心を煽る情景描写、死体を見続ける兵士を心理的に追いつめていく様はぞくぞくする。訳もとても良いと思う。2017/08/30

Yu。

22
核となる出来事に幾つかの媚薬を加える事で怪奇にして不可解なアンバランスゾーンが創り上げられる14の恐怖幻想譚。。お気に入りは、語り手が入れ替わる毎にその恐ろしき謎が明かされていくという怪談としてもミステリとしても十分愉しめる「月あかりの道」(夫が見たあの謎の人物は何者だったのかが気になるところ)。‥訳し方の問題は勿論あるだろうし、また著者独特のスタイルなのかもしれない‥ 全体的に変化に富んでいて面白いのだがとにかく “?” と感じさせる内容が多く目に付くので一度これを肴に皆であれこれ語り合いたいものだ。2017/01/17

林 一歩

16
「悪魔の辞典」で有名なビアスさんですが、個人的には皮肉に満ちた短編群の方が好みです。2013/09/22

madhatter

5
ビアスの作品は様々な翻訳で読んでいる筈なのだが、何度読んでも古臭さを感じない。常に一捻りした凝った構成が、あの短さで遺憾なく効果を発揮する様は、他の作家には真似できない。また、彼のユーモアは過剰なまでに辛辣だが、嫌悪感を齎さないぎりぎりのバランスを保っている(人それぞれかもしれないが)。これは彼が健全な感覚を持っているが故ではないかと最近思う。「シロップの壺」などは、幽霊を扱ってはいるが、喜劇調の微笑ましい話である。こういう話が書けるからこそ、ビアスはどぎついものを書いても嫌みにならない気がする。2010/07/12

tohu-life

3
この中西秀男さん訳の「あん畜生」がすごくいいです。デジタル手帳か何かに入っていた別の訳者の方の同じ話はタイトルも違っていましたし、雰囲気がまるで違いました。「テーブルにあるものでも 食べられるとは限らない」この副題だけでもゾクゾクっとします。有名な「アウル・クリーク橋の一事件」も入ってます。

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