内容説明
一瞬のうちに立場が逆転し、意外な結末へ。ショートサスペンスの妙を横溢させた珠玉の10編――そこは、男の仕事場であった。「こんなときに」とあらがう女を、男は「こんなときだからこそ君が欲しい」とばかり押し倒す。情事の直後、ドアのノブがまわる音がし……。男女は動転した。予定の来訪者にしては、早すぎる、それとも、予期せざる事態が起きたのか……。推理の名手が腕をふるった、ショート・サスペンスの傑作10篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒い森会長
2
1981年6月刊。「ベッドの中の他人」「社長室の秘密」「故人の名刺」「ある失踪」「猫が死んでいた」「山手線殺人事件」「階段」「まえ置き」「動機なし」「一年先は闇」の10作収録。推理小説と言うより、クライム・ノベル。いわゆる推理小説で起こる状況が、「出現」する前の状況を描いた小説集。謎解きの快感は、あまり得られないが、いろいろと考えさせる物語。2022/03/28
おさむん
1
再読。2020/10/10
kanamori
1
☆☆★2011/10/18
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
1
☆×3.5…前回読んだ本と言い、実に「大人」テイストの本だよなぁ。この本はそんな色が濃い本で、一部作品に関しては完全な解決を見ません。読者がその先を想像するしかない、難しい作品です。中にはさびしい「復讐もの」もあります。だけれども精読すればあることも見えてくるわけで…男と女ものが多いのも特徴的。やっぱり人って、不思議なものですね。2011/12/18