- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
和の精神が呪縛に変わるとき、それは同調圧力となる。なぜ、日本の美徳は、見えない暴力へと変わるのか? 私たちはその理由を明らかにしないまま、異端を許さない不寛容さに、漠然とした「生きづらさ」を感じてきた。「空気」という曖昧な表現で蓋をしてきたからだ。コロナ禍を契機に同調圧力が注目される今こそ、その正体に迫るチャンスではないだろうか? 本書では、同調圧力が発生する背景、メカニズムを読み解きながら、同調圧力の「功」と「罪」の歴史を振り返る。また、こうした歴史が令和の世にどんな現象を引き起こしているのか、SNSの出現で新たに登場した「大衆型同調圧力」という概念を使いながら分析する。学校のイジメ、職場のパワハラ、企業の不祥事、SNSの誹謗中傷、暴走する正義――。すべては一本の線でつながっている! こうした諸問題を引き起こす同調圧力を防ぐ仕組みや対処法とは一体何か? 息苦しい日々に光明が差す、「希望の1冊」だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Moca
23
同調圧力から反すると逮捕か罰金!? そう思っているバカはどこにいる? ただ単に、同調圧力という常識社会に束縛されているだけじゃないか。 法律上、表現の自由で成り立っているから、自分自身で判断して行動することが一番重要だ。2021/09/26
Moca
22
同調圧力が生まれやすい条件は「閉鎖性」「同質性」「個人の未分化」の3つである。 やはり、視野の狭い世界観に閉じ込められると、一つの集団が寄せ集まってきて、人々に共感を与えられ、こうしないとダメとか、うんぬんカンヌン洗脳パワーを強調し、「同調圧力」というものが作り上げてしまうのだ。 それらの条件が揃うと、「共同体主義」という主義が作り上げ、「同調圧力」がさらに大きくなってしまう。 その「共同体主義」から立ち向かうには、流動性、異端者の存在、役割分担することが重要である。2021/09/26
金吾
20
同調圧力の背景にある3つの要因はなるほどなあと思います。漠然としたものですが、私は同調圧力をかける人は承認欲求は強いが自信がない人であり、自分で自分の考えを作れない人だと思っています。2025/06/05
66 (Audible オーディブル毎日聴いてます)
17
目から鱗が落ちた。同調圧力って校則やPTAだけの話と思い込んでたけど、地域社会にも、そしてなんと職場にもある、という点に驚いた。驚いたというか、今まで感じていたもやもやが、この言葉で説明がつくんだ、というところが目から鱗。身近で、仕事を引き受けすぎて結局自分が大変になって不満たらたらの人がいて、なんで断れないんだろう、と思っていた。承認欲求と思っていたが、同調圧力という切り口でもう少し観察してみよう。最後の「どう立ち向かうか」の章にあった「多元的帰属」と「仕事や活動を分ける」が具体的で納得。図書館本2021/10/31
Moca
17
この世の中は同調圧力で成り立っている。 個人で行動するのが望ましいだが、皆と同じ行動することである。 日本は古来から村社会だったため、法律で決まったことではなく、皆と合せて当然なことをするのが「同調圧力」の意義なのだ。 皆と同じよくする規則で、常識社会っていうのがこの世の中に成り立っている。2021/09/26