内容説明
41歳で脳梗塞を発症し、高次脳機能障害が残った大介さん。何に不自由なのか見えにくい障害は、援助職さんにも十分に理解されていない。どうしたら当事者さんの苦しみを受け止め、前に進む支援ができるのか。専門医であるきょう子先生と、とことん考え抜きます。
目次
はじめに 支援職と当事者の歩み寄りを求めて=鈴木大介
第1章 人生を左右するお困りごと
「心の苦しさ」という迷宮
言葉の障害
最大の「苦しさ」は何か?
脳のキャパシティ問題
嫌な記憶ほど引き がせない
ひとつの入力にひとつの出力
できないことも、全肯定してください!
理解のなさへの絶望
発語の困難さ
障害って何?
記憶のモンダイ
「去年に比べればいい」と考える
心の中のキャパシティ
「分かっていてもコントロールできない」のが苦しい
その人との「チューニング」がコミュニケーションの肝
これだけは言ってくれるな!!
時間と回復
なぜ情動を制御できないのか
情動の暴走への対処法
これができたら自信になる!
高次脳機能障害は一言では表現できない
第2章 名もなき苦しみに、名前をください!
高次脳機能障害からの回復はリノベーション
刺激のシャワーに耐えられない!
会話のダイナミズム
「自分勝手」レッテルの誤解
マニュアルのない治療
脳のスペックが落ちる
元のパーソナリティが強まる傾向
障害の個性がはっきりしてくる
「現実感がない」ホラー状態
「左側に嫌なものがいる」
失語症と談話障害の違い
言葉の理解のオンラインが途切れる
破局反応
心理・感情の問題
「山菜採りのプロ」とは
「依存」って何?
相手の「苦しい」にとにかく気づいて!
脳の8割が高次脳機能に関わる
第3章 自己理解の支え
「自分は病気だ」と気づいているかどうか
「障害」って、どんな状態?──患者の立場と医療者の立場
「できる」の基準を変える
「大丈夫」の意味
病気を認めるかどうか、リハビリがうまくいくかどうか
神経心理学的検査の意味
復帰後のフォローアップ──理想と現実
目標をどこに設定するか
苦しさを軽減するための工夫──環境調整
自分の中のパラダイムシフトをどう起こすか
家族の心構えも環境の一つ
「中の人」は変わらない!
高次脳機能障害の当事者同士の集まり
仕事への復帰あれこれ
第4章 あなたの隣の当事者さん──支援の仕方を考えよう
「ちょっと変」「なんか変」に気づいてあげる
病前記憶、病前習慣
障害の受容
「障害者」アレルギー?
自己理解の入り口
「病前」を考慮するという大前提
お困りごとの洗い出し
「できない」ことをどう知るか
カミングアウトをどうするか
病後の人間関係・悲喜こもごも
安全基地をつくる
認知症も似ている
病後だからこその人生観
有限性を知る
脳は壊れても人生は続く
「積極的に人に頼る」という戦略
支援者の支援
「生きやすさ」のためのワンチーム
当事者を代表してのお願い──対談を終えて=鈴木大介
おわりに 「個性」に合わせた支援をめざして=鈴木匡子
参考文献
感想・レビュー
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