岩波科学ライブラリー<br> 恐竜はホタルを見たか - 発光生物が照らす進化の謎

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岩波科学ライブラリー
恐竜はホタルを見たか - 発光生物が照らす進化の謎

  • 著者名:大場裕一
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 岩波書店(2021/06発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000296496

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内容説明

昆虫,キノコ,魚など,地球上には数万種もの「光る生きもの」がいる.生物はいつ,どうやって光る能力を手に入れたのか.光を使った驚きの生存戦略とは.発光のしくみを解明し,進化の道筋を巻き戻していくと,舞台は暗闇に満ちた太古の深海へ.生物が放つ光に魅せられた著者が,ダーウィンも悩んだ「進化の謎」に挑む.[2色刷]

目次

まえがき┴1 意外に少ない陸上の発光生物┴生きものが光るなんて,すごい/発光生物とは,生物発光とは/発光生物は陸上に少ない/光る昆虫は少ない/変わった陸の発光生物/植物はすべて光らない/光るキノコはごくわずか/四つ足の動物はぜんぶ光らない/遺伝子操作で光るサル?/淡水魚も光らない/未来の人間も光らない/生物が光るのは,すごいこと?┴2 海が発光生物であふれているのはなぜか┴海は発光生物であふれている/浮遊生活者の常套手段/どこからが深海なのか/カウンターイルミネーションが進化の鍵/光で威嚇する,光で警告する/光でエサを誘引する/照明装置としての発光は本当か/結局,海には発光生物が多いのか/海と陸のアンバランス┴3 光るなんてことがなぜできる?┴意外に解明されていない光る仕組みの科学/発光メカニズムは生物ごとに違う/ルシフェリンは基質,ルシフェラーゼは酵素/ホタルのお尻はなぜやけどしないのか/ホタルの発光はエコな発光/発光と酸素(O2)の関係/発光タンパク質/近い種同士は仕組みが同じ/電気や蓄光で光るものはいない/自力発光という光り方/共生発光という光り方/あと戻りできない共生関係┴4 ティラノサウルスはホタルを見たか┴ダーウィンの悩み/ホタルルシフェラーゼの進化/ホタルの進化を再現する/ホタルルシフェリンはどこから来たか/分子系統解析と年代推定/ティラノサウルスは緑色に光るホタルを見たか/ホタルがマズいのはわたしたちの祖先のせい┴5 イクチオサウルスの巨大な眼は光るサメを見たか┴海の巨大爬虫類は発光魚を見ていた/海で発光生物が頻繁に進化した二つの理由/発光バクテリアはなぜ光る/発光バクテリアが魚類とイカに発光をもたらした/もらえるものはもらっておこう/渦鞭毛藻とオキアミの発光/渦鞭毛藻とオキアミの関係/ウミホタルとキンメモドキの発光/ウミホタルとキンメモドキの関係/セレンテラジンは,セレンテレートだけじゃない/なぜみんなセレンテラジンを使っているのか/だれがセレンテラジンを作っているのか/コペポーダはカイアシ類/深層水のゴミは宝の山/「セレンテラジン仮説」の鍵はやはりコペポーダだった/わたしの仮説の難点┴6 おわりに:進化のテープをリプレイしたら┴陸にはわずか海にはたくさん/発光の方法はさまざま/原始哺乳類とホタル/海の進化,鍵はセレンテラジン/注目は,オタマボヤ/オタマボヤの謎を求めて/歴史をリプレイしても発光生物は現れるか/海がまた発光生物の世界になるとは限らない/発光生物の未来は…┴あとがき┴お勧め図書

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

つき

9
発光生物がどんな仕組みで発光しているのか、その謎はほとんど解明されていないらしい。生物によってその仕組みが違うのだとか。 生物って未知な部分が多くて、奥が深いんだな。2016/10/03

calaf

6
光る生物って、陸上にはほとんどおらず、海中ではほとんどの生物が光るらしい...でも、淡水の生物は陸上と同じくほとんどが光らない...うーむ、いろいろあるのですねぇ。そしてタイトルの問いに関しては、光る生物がいつごろ発生したかという事がDNAの変化を調べる事で分かるようになってきているので答える事ができ、YESらしいです (笑)2016/11/13

月をみるもの

6
先月、福岡田川市でホタルの乱舞を堪能した。四半世紀前に遠州灘で見た、ヨットの航跡を彩る夜光虫も忘れられない。ホタルが光る目的は、パートナーを見つけるためであることはよく知られている。一方、夜光虫は光ることで、おのれを捕食する生物の存在場所を明らかにし、その捕食生物を捕食する生物へのシグナルとする(敵の敵は味方)。海の中深層で発光している生物は、下から明るい海面を見ている敵に発見されないために、わずかに発光している(カウンターイルミネーション)。生き物の輝きに魅せられた著者のワクワク感が伝わって来る。 2016/07/11

saladin

4
発光生物に関するポピュラーサイエンス書。主眼はタイトルの”恐竜は~”よりも、”どのようにして発光生物は光るのか”だ。ホタルがルシフェリンとルシフェラーゼによる発光反応によって光ることは知っていた。が、発光生物のほとんどは海の中。彼らは”自力発光”、”共生発光”、”半自力発光”する。特に半自力発光する生物が多く、”セレンテラジン”と呼ばれるルシフェリンを餌から手に入れて光っているらしい。そしてその餌となっているのが”コペポーダ”という海に大量に存在する動物性プランクトンとのこと。うーん、知らなかった。2022/05/03

おやぶたんぐ

4
詩的な表題とは裏腹(?)に、内容は発光生物の単なる紹介にとどまらず、その進化に関する最新の仮説にまで及ぶ。しかしながら、分かりやすい。ポピュラーサイエンス書のあるべき姿ではないかと思う。でもやっぱり値段は高いかな…2018/10/22

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