内容説明
古文の授業がおもしろくない,というだけで日本の古典が嫌いになってしまってはもったいない! 実は,オカルトあり,恋愛ありのわくわくの宝庫なのです.教科書でもおなじみの作品を〈超訳〉で紹介しながら,自称「古文おちこぼれ」だった国文学者が,奥深い古典の世界の楽しみ方,文法にしばられない原文の読み方を案内.
目次
序章 古文が嫌いになる前に┴第1章 「古典」が生まれた背景┴第2章 古文に慣れよう┴第3章 『徒然草』を遊ぼう┴第4章 百人一首うらばなし┴第5章 『堤中納言物語』より「花桜折る中将」を読む┴第6章 女もすなる『土佐日記』┴第7章 「しんとく丸」の死と再生┴第8章 能・狂言に描かれた女性たち┴あとがきにかえて 私が古文を好きになるまで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オリーブ
10
読書は好きだったけど、私も学生時代、古典が嫌いな理由はあの文法と耳慣れない言葉が原因だった。あとがきで「古典の良さなんて生徒が分かるわけがない」と豪語している高校教師がいると知って愕然とした。恋愛、残虐、ユーモア、オカルト、悲哀、下ネタといったドロドロ感満載の古典なのに清廉潔白であるはずの授業だと使える箇所が限られてしまうってことだったんですね。中高生こそそういう部分に食いついてくるのにね(笑)そんなモノを題材に使ったら苦情きちゃう?!2016/11/14
なお
10
図書館本。古典の苦手意識がなくせるように、どのように読んだらいいのか説明されています。確かに興味がわいた。2016/01/31
ピカ
10
要約課題本。課題にはこの本を使うか。教科書の内容で興味を引くのが少ない理由に納得。そりゃ硬いのばっかにもなるだろうなあ。自分でどんどん古典を読んでいった方がいいな。2014/08/13
オザマチ
8
この本は、高校の授業における文法偏重の学習ややたら“お堅い”題材選びに対して反対意見を述べた上で、説話から百人一首や能・狂言までを含む面白い題材について分かりやすく論じてくれます。十代のうちにこんな本を読んでおきたかった。2014/10/25
かな
5
中高生向きの入門の入門書。おなじみ徒然草や土佐日記だけでなく、教科書ではまずお目にかからない説教「しんとく丸」も取り上げ、作品が伝える当時の世相、ジェンダー観なども解説してくれています。味気ない学校の授業のせいで古典が嫌いな人や苦手な人が多い!あなたもでしょ!という冒頭の熱弁に少し戸惑ってしまった。私も確かに高校の古典では呪文のように助動詞の活用を丸暗記したけれど、だからといって古典嫌いにはならなかった。むしろ意味がじわじわと分かり始める喜びで、古典だけでなく語学全般に興味が湧いたけどね。人それぞれですね2015/03/31