光文社古典新訳文庫<br> 聊斎志異

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光文社古典新訳文庫
聊斎志異

  • 著者名:蒲松齢/黒田真美子【訳】
  • 価格 ¥1,716(本体¥1,560)
  • 特価 ¥1,201(本体¥1,092)
  • 光文社(2021/06発売)
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  • ISBN:9784334754396

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内容説明

中国清代の作家蒲松齢が、科挙に落第しつづける中、古来の民間伝承などをもとに豊かな空想力と古典の教養を駆使し、仙女、女妖、幽霊や精霊、昆虫といった異能のものたちと人間との不思議な交わりを描いた怪異譚。目の中に住みついた小人同士の会話、愚鈍なイケメンのドッペルゲンガー、金持ち狐の復讐、菊好きな男に惚れた菊の精、仙術修行は壁抜けの術、酒好き幽霊の恩返し、美女幽霊二人の誘惑に負けなかった男など43篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

118
聊斎志異(りょうさいしい)300年以上前に中国は蒲松齢(ほしょうれい)によって書かれた怪異譚。同名の書籍は多く出ています。岩波文庫か本書か読む前に吟味した結果、当時の中国地図を掲載し、本書で多く出てくる詩吟を中国語、古文、現代文と載せ、注釈が多彩であったりと非常に丁寧に書かれています。極めつけが解説に「蒲松齢とその時代」として、59ページが割かれており大ボリューム!訳者の徹底ぶりが垣間見えます。元祖、聊斎志異は500遍近くありますが厳選した43遍収録。〈怪〉〈妖〉〈恋〉〈夢〉〈仙〉〈幽〉に分けてあります。2022/09/21

KAZOO

88
聊斎志異はむかし柴田天馬氏の訳で角川文庫(完訳版)で数回読みました。この本は完訳ではないのですが柴田氏の訳よりもはるかに読みやすい気がします。読んでいると中国では本当にここにいるような妖怪というかあやかしの者たちがたむろしている気がします。異類婚姻のような話が多いのも特徴ですね。また諸星大二郎さんのコミックを思いだしたりしました。この古典新訳シリーズに共通しているのですが解説もしっかりしていて非常に参考になりました。2022/08/12

sin

75
序文、自誌に遠慮がちに記された松齢の想いに僭越ながら答えたい!「貴方の遺された作品は国を、時代さえをも越えて読み継がれています。」さて、本家実話怪談と云っても過言ではない作品であるが、ここに納められた多くは女色とプライドの物語である。簡潔な文章の中に艶かしい男女の交接が描かれている。登場する男たちは美女を欲し、それ故に怪異が寄り添って来るようにも思えてならないのだがどうだろう?そしてプライド「我を知る者は希なれば、即ち我は貴し」自分の価値を知る者が少ないが故に自分は貴いとは作者の心情でもあろうか?2021/08/13

中玉ケビン砂糖

46
安岡章太郎はじめ、多数の日本近代文学にも影響を与えた六朝志怪モノの系譜においてその末席に位置し、なおかつ並び立つものなき白眉であるのは言うまでもないが、何かが変。というのも(読み慣れないせいもあるが)読んでいるうちに、作品内で起こっていること・ものが「この時点では人間界だが、ちょっと移動するともう地獄とか妖精のすみかとか天界」にいることになっていて、それがはっきりとしない場合もあるし、かなり直截に地続きだったり(ただマジックリアリズムという感じでもないし)、アレアレと2021/06/22

Gannet

37
中国の怪異譚。43編収録されていて解説が充実してます。話の後に著者のコメントもあって、清代前期の習慣や雰囲気も分かって面白く、ちょこちょこ読むと楽しいです。他の話も読んでみよう^^ 【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉で読みました。8月から、やっと読了(笑)2021/09/28

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