内容説明
織田信長が天下を握ろうとしていた戦国中期。「会津の執権」金上盛備はときに政略結婚で隣国を封じ、ときに仇敵と同盟を結び、巧みな外交術で主家・蘆名氏を支えていた。しかし本能寺で信長が倒れるや、天下を狙う隣国の若き当主・伊達政宗が牙をむく。一気に蘆名を手中にすべく暗殺者を送り込んだのだ。奥州の覇権を巡る頭脳合戦が幕を開ける!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハル牧
6
「時を戻したい」独眼竜と「時を止めたい」会津の執権が繰り広げる外交、謀略、人取橋の激戦、そして摺上原の決戦に至るまでが描かれる。天下を目指す異才ながら生まれるのが遅過ぎた伊達政宗と、蘆名家の存続をのみ目指す頑固な年寄り金上遠江守盛備、正反対の傑物2人が主人公という、実に私好みの素晴らしい歴史小説であった。2021/08/16
komo
4
まずは双方が繰り出す戦略面の面白さが際立つ。ボケっと読んでると置いてきぼりなるほど巧みだ。それに伊達・蘆名家にまつわる悲惨な出来事を相手の陰謀によるものとして描いている。これが読み手の脳裏に焼き付き、戦略戦が無意識に深みを帯びて来る。そして盛備の交渉力も読み応えあり。安土城で織田信長に拝謁する場面で見せた命懸けの交渉、終盤の聚楽第での秀吉との交渉共に圧巻。最後の摺上原の戦いも臨場感たっぷり。生きて守り通そうとする意地の張り合いが全面に溢れた読み応えのある物語だった。これからは吉川永青を追いかけなければ。2022/04/19
KT1123
3
戦国時代末期の陸奥で、宗主伊達氏の内乱から始まった騒乱のただなか。主人公は会津を領有する蘆名氏の一門金上盛備。盛備は仕える葦名止々斎盛氏を助けて、横やりを入れてくる伊達と相対し、止々斎の死後も会津の長には立たずに従臣の立場で会津を守り、「会津の執権」と呼ばれるようになる。かたや伊達では政宗が誕生し、天下を狙うようになるが、中央に出ていくことを会津の盛備が阻む。最終的には盛備は戦死するが、政宗も天下取りを断念する…。知らないことばかりで時々わからなくなってしまったが、東北の歴史も知りたいと思った。2025/10/14
かずぺん
3
福島県出身ですので、地域の位置関係が理解できて、感動でした。また、この時代は多くの小説になっていないので面白く読みました。2021/08/13
YUJIRO
3
渋い人物を主人公に据えた作品。派手な合戦が中心でなく、その背後で繰り広げられる、謀略、調略、外交を描く。2021/07/11
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