内容説明
猛烈なスピードで変化し、混乱を極めた幕末。吉田松陰は、プリズンライフをエンジョイして牢獄を学校にしちゃうし、勝海舟は幕府を「オワコン! 」って言っちゃうし、坂本龍馬が新時代の構想をパーフェクトに語った噂は かもしれないし。超フクザツで、その分ドラマチックな時代を、「圧倒的に面白い」「わかりやすい」と評判の超現代語訳で一気読み。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiseiok
52
全力お勧め!戦国時代編がめちゃ面白かったので、文庫化発見即購入、期待に違わぬ面白さ。幕末の登場人物は単体ではもちろん知っているのだけれど、こうやって時系列に沿って(多少の脚色を含ませつつw)平易にユーモラスにドラマチックに紹介されることで初めてきっちり全体像が見えた感じ。マジでぐちゃぐちゃですなぁ(^_^;)。専門家が硬っ苦しく説明してくれても眠いだけなのに、お笑いクラスタの人達のスキルは凄いです。印象深いのはエピソード16と17。江戸無血開城は辛うじて出来たけれど、その後の戊辰戦争の内実が切ないなあ…。2021/08/06
Kentaro
45
幕府がハリスと交渉したときの為替レートがとんでもなかった。当時の日本には一分銀と一両があり、4分銀で一両と交換するというシステムだった。当時の一分銀4枚と一両はお金という概念では釣り合う反面、一両分の銀の価値として一分銀の価値は少なく、全く釣り合うものではなかった。アメリカにはそのとき一ドル銀貨があり、その銀の重さの価値がちょうど一両の1/4だったので、日本は一分銀と一ドル銀の等価交換を申し出たが、重さが一分銀三枚と一ドル銀と釣り合うということで、為替レートが決まってしまった。2021/12/14
10$の恋
44
ペリーの黒船が来航、江戸幕府がてんやわんやの大騒ぎ!からスタート。戦国時代よりヤヤコシイ時代やけど、これまたサクサクポップな軽やかさ。ザッと思想では【尊王攘夷】【佐幕】【公武合体】【開国】、存在では《江戸幕府》《朝廷》《薩長同盟》《会津藩》《諸外国》、人物では〔坂本龍馬〕〔西郷隆盛〕〔吉田松陰門下生〕〔徳川慶喜〕〔勝海舟〕〔土方歳三〕・・これでまだほんのごく一部。どんでん返しからのどんでん返し、敵の敵は味方…からの敵。現代若者用語を遺憾なく発揮して笑いで繋ぎ、しかも本格的。明治維新までいっちゃったよ~。 2022/04/27
ひよ亭
22
日本史はそこそこ好きだったのですが敵味方が猫の目のように変わる幕末は苦手でした。なので幕末の偉人達の小説、ドラマは興味が湧きませんでしたが、この本で笑いながらスッキリすることが出来て これからはこれらの時代小説も読んでみようかと そんな気持ちになれました。2022/06/16
takka@乱読
17
本著は幕末史入門として是非おすすめしたい一冊である。口語体で文章が書かれていたり、今の若者らしい語り口で登場人物が会話するシーンも描かれていたり、改行も多く見やすくて読みやすい!しかし、中身は本格派で自分も知らない幕末の人物も登場するし、混沌としていてややこしい幕末史を間違いなく丁寧に描いている。もっと早く出版されていて、この本に出会っていれば学生時代どれだけ役に立つ本だっただろうか。歴史嫌いの学生や歴史に関心が出てきた初心者の方必見の書であった。2021/06/13