「もう一人のアンネ・フランク」自伝

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「もう一人のアンネ・フランク」自伝

  • ISBN:9784775942482

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内容説明

世界35万部突破のベストセラー!
ビル・ゲイツ(世界最大の慈善基金団体 ビル&メリンダ・ゲイツ財団 創設者、
デズモンド・ツツ(ノーベル平和賞受賞者、反アパルトヘイト・人権活動家)絶賛

バレエに夢中で、ハンガリーのオリンピック・体操チームの強化メンバーだったユダヤ人の少女エディスは、1944年アウシュヴィッツに強制収容される。父と引き離され、母はその日のうちにガス室へ。姉とともに過酷な日々が始まった。メンゲレに呼ばれてバレエを舞い、間一髪でレイプを逃れる。手にした一塊のパンを仲間と分けあう。死んだ仲間を食べるのではなく草を食べることを選び、諦めて死ぬのではなく生きることを選び続けた。

第二次大戦終了後も、ユダヤ人差別は消えない。過酷な収容所生活で体重は32キロになり、背骨を骨折し、胸膜炎を患ったエディスは病院に。そこで出会った裕福な男性と結婚、娘が誕生するが、夫にはチェコスロヴァキアの共産党政府による弾圧が待っていた。

夫の投獄を前に迫られる、「どこへ逃げるか?」という人生の選択。紛争が絶えないイスラエルに行くか。未知の世界のアメリカに行くか。1949 年、22歳のエディスが選んだのは自由の国アメリカ。しかし、自由の国は移民への言葉の壁と経済格差が立ちはだかる「不自由な国」だった。

それでもエディスは選び続ける――絶望の中から可能性を。選択とは自由の証しなのだ。懸命に働いてアメリカに溶け込み、3人の子どもを育て、大学を卒業したときは41歳。ヴィクトール・フランクルとの出会いに力を得て、50歳で心理学博士に。アウシュヴィッツから生還した臨床心理士として、PTSDに苦しむべトナム戦争帰還兵から虐待を受けた子どもたちまで、多くの治療にあたる。90歳を超えた現在もなお現役で「絶望の中から可能性を選ぶ」ことを提案している。

本書はアウシュヴィッツ生存者による類まれなメモワールであると同時に、「今、できることを選び続けた」女性が綴る、困難を超えて力強く生きるためのメッセージである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

breguet4194q

53
アウシュヴィッツでの体験記というよりも、現在までの半生記としての一冊。強制収容所での体験は全体の1/4程度で、生々しい描写は控え目な感じです。ただし、その時の悲惨な体験がその後の人生を狂わすトラウマとなりますが、著者はその困難を乗り越え、臨床心理士として活躍されてます。死をも覚悟したネガティブな当時の心境に対して、「自分を許す」との境涯の広さは、強制収容所を体験し、メンタルの強い著者ならではと思いました。2021/09/17

ロビン

23
ナチスの強制収容所から生還した心理学者であり臨床心理士であるハンガリー系のユダヤ人イーガー博士の自伝。アンネの日記を思わせる複雑な家族との関係から始まり、青春の日に突如アウシュヴィッツに送られ、生き延びて結婚・出産し、米国に移住して41歳で大学を卒業、50歳で心理学博士号を取得、93歳の今も現役というから凄いというほかない。自らも過去のトラウマと闘い、アウシュヴィッツを再訪するなどして乗り越えながら、ベトナム帰還兵や摂食障害の少女などの臨床経験を語る博士の姿から、人生を主体的に選択する大切さを学んだ。2022/08/25

uniemo

16
アウシュビッツでの体験記も興味深いですが、その後に著者がどのようにそのトラウマを克服していったが本作のメインになると思います。自分が過去に向き合い克服し、臨床心理士となり苦しんでいる患者さんも救います。アウシュビッツから生き残った方の著作ではヴィクトール・フランクルの「それでも人生にイエスと言う」にとても感銘を受けたのですが本作の著者もとても凄い方でした。2023/06/26

wiki

16
臨床心理士で、アウシュビッツの生存者である著者。本書は彼女が英雄的でなく、いかにも人間らしく、苦悩や葛藤を抱え、癒して生きてきたかを物語る。本書は自伝とあるものの、他にも様々な読み方ができる。一つはアウシュビッツが人間に与えた甚大な悪影響を生存者の人生スパンで知る事例書として。もう一つは臨床心理士の臨床例集かつ指導書として。そしてもう一つは、人間が持てる「癒し」の力がどれほど偉大であるかを示す一書として。「最悪の事態が、人間の最良の部分を引き出してくれるんです」と語る強さを是非読んで知ってもらいたい。2022/08/24

あつお

12
アウシュヴィッツを生き延びたイーガー博士の自伝は、苦しみの記憶にどう向き合うかという、極めて現代的な問いを投げかけてくる。物理的な自由を得ても、心は過去のトラウマに縛られ続ける。彼女が示す「選択」の哲学は、過去を乗り越えるのではなく、対話し、受け入れることで癒やしに変えていくという姿勢だ。その過程には苦痛と勇気が伴うが、自らに「生きる意味」を与える主体的な営みとして深く共感した。悲劇の記憶すらも、他者を助ける力へと転換するその姿は、希望の技術とも言える。2025/04/23

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