トリュフの真相 世界で最も高価なキノコ物語

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トリュフの真相 世界で最も高価なキノコ物語

  • ISBN:9784775942314

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内容説明

収穫からの賞味期限は約1週間。
地中に育つ白と黒のダイヤの知られざる姿

高級料理の世界でも最も素晴らしく、最も珍しく、最も貴重な食材と言われる「トリュフ」。だが、ミシュラン三ツ星レストランでセレブたちがその香りに酔いしれる華やかなイメージとは裏腹に、トリュフが栽培されてからテーブルの皿に乗せられるまでの道のりには、異様なほどの秘密主義、度重なる窃盗、悪質な妨害工作、そして許しがたい偽装が横行している。

トリュフ生産者は、栽培方法の秘密をスパイに盗まれることを恐れ、毎夜ライフルを手に森を見回る。トリュフハンターは、ライバルのトリュフ犬を葬るために、毒入りのミートボールを森に置く。業界を征服した王は、トリュフがもたらす莫大な富に取り憑かれ、無知なシェフやセレブを欺く。得も言われぬ魅惑の芳香に心を奪われて、知識のある専門家までもが、その嘘や偽装に騙される。

それにしても、なぜ人々は、ここまでして泥に覆われた黒い塊に惹きつけられるのか。人生を捧げ、命を懸ける理由は一体どこにあるのか。そこには、単なる稀少性や独特の香りだけではない、何かがあるのではないか。

そんな疑問を胸に、ルポライターである筆者はフランス、そしてイタリアのトリュフ産地を訪れる。そこで彼は、トリュフの栽培から流通までに携わる様々な人を訪ね歩き、あるときはトリュフ犬とともに森に分け入り、またあるときは麻薬取引さながらのトリュフ売買の現場に足を運び、その闇世界を解き明かしていく。

果たして、あの高級レストランでパスタの上に仰々しく削られた黒いものは、本物の「黒いダイヤ」だったのか。近所のスーパーで売られている「トリュフオイル」の香りは、実は合成化学物質によるものではないのか。一体この世のどれだけの人間が、本物と偽物の違いを知っているのか……。

読み進めるごとに、いくつもの疑念が頭をもたげる。地球上で最も高価なキノコを取り巻く謎に満ちた世界に引き込まれずにはいられない、スリル満点のノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

R

27
トリュフの美味しいお話かと思ったら、その取引にまつわる闇というか、ヤクザな世界を紹介した本でした。ともかく魅力的な食べ物なんだろうが、それをとる方法が相当にアナログなうえに養殖がきかない、必然的に天然ものの争奪戦が繰り広げられているというお話。ニセモノの横行や、トリュフ犬を盗んだり殺したり、大手メーカーの悪事だとか、様々な話が詰め込まれていて面白かった。食べることがあるのかわからんが、自分の口に入るのは偽者じゃないかなと思わされるそれでありました。2021/01/19

マイアミ

3
★★★ トリュフの採取や取引、栽培や歴史を巡るノンフィクション。トリュフにまつわるダークサイドがこれでもかと出てきて唖然とした。トリュフ界では名の知れた企業が平然と産地偽装を行っていたり、トリュフを採るため訓練されたトリュフ犬の失踪、誘拐、毒殺が行われている現状があった。イタリア・アルバ産のトリュフの収穫量ではアルバ産として売られている製品をカバーできないという笑撃の情報も。きっと日本人が口しているトリュフも違法性があるのだろう。そもそも本当に本物のトリュフなのかすらも怪しい。私は食べたことはないが。2020/08/16

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