内容説明
私の心にパリが刻んだ光と影――国際派女優・岸惠子。映画監督イヴ・シャンピとの結婚のために、20代で単身フランスに渡って以来、激動のヨーロッパで暮らした歳月は、筆者の心に何を刻み込んだのか……。チェコ人青年との淡い恋物語「栗毛色の髪の青年」、アパルトマンの煙をめぐる大騒動「女のはったり」ほか、12の珠玉のエッセイを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
coco.
9
仏映画監督イヴ・シャンピの元妻だった日本人女優・岸惠子が書いた渡仏生活エッセイ。在仏邦人女性である雨宮塔子が、女性誌で推薦していた本。完成度が高く「栗毛色の髪の青年」など、あまりにも流暢な展開なので、正直脚色している疑惑は少々残るが、ロマンス部分は惹きつけられた。常に国境が隣り合う欧州で生き抜くということは、私には、未知なるもの。島国かつ他国まで一定距離がある日本人には、どうしても危機感が鈍く、世界的事件の共有意識も薄いことを実感させられる。話題が国際情勢まで拡がるのは予想外だったが、意義深いものだった。2015/03/17
佐々陽太朗(K.Tsubota)
6
この本を読んで私の心の奥底に潜む偏見に気づきました。「俳優」を「作家」の下に置き、俳優は一流の感性を持ってはいても、それを文字で表現するだけの知性を持っていないと思っていました。本を読み終えたとき、私はなんとおろかな偏見に囚われていたのかと自らの浅はかさに恥じ入りました。多彩な語彙をあやつり、激動の時代の光と影、そしてそこに生きる人間の微妙な心の襞を描き出す岸さんの筆力に畏敬の念を禁じ得ません。2010/09/24
アンさん
4
往年の大女優のエッセイ。 ただ、世界情勢に敏感で、バイタリティに溢れる行動力で、テレビのクルーを引き連れ取材する様子が描かれています。 「栗毛色の髪の少年」ではチェコからフランスに来て、反ソ連活動している青年の話。ウクライナ情勢が気になる現在に通じるような気がします。 語学が堪能なことをほめられ、「チェコ語だけ話してればいいというには、ぼくらの国は小さくて弱いんです。」という少年の言葉が刺さります。2022/07/02
yokocoⅡ
4
岸恵子さん、文章も美人である。そして可愛い。2014/07/14
雨巫女
4
天はたまに人に二物を与えるんですね。情景が浮かぶし、俳優・女優さんは、文章が上手な人が多い。2010/07/01
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