ブルーバックス<br> 爆発する宇宙 138億年の宇宙進化

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ブルーバックス
爆発する宇宙 138億年の宇宙進化

  • 著者名:戸谷友則【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2021/06発売)
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  • ISBN:9784065240847

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内容説明

宇宙にとって「爆発」とはなにか?

ビッグバン、インフレーション、超新星爆発、ガンマ線バースト……宇宙に起こるさまざまな爆発現象。
これらは、けっして自明な現象ではありません。超新星爆発は、なぜ起こるのか? 実は、その過程にはまだまだ解明されていない謎が多く存在するのです。

本書では、この宇宙の始まりでもある「ビッグバン」、「超新星爆発」の謎、「ガンマ線バースト」などの爆発現象を取り上げながら、最新の天文学で考えられているそのメカニズムや、赤色巨星、白色矮星、ブラックホール、中性子星、さらにはダークマターについてなど、さまざまな天体や物質についても詳細に解説。
特筆すべきは、まだ観測されたばかりの謎の爆発現象「高速電波バースト:FRB」を、その観測実例をもとに、天文学におけるさまざまな仮説・研究を紹介していきます。

そのそも、この宇宙もビッグバンという爆発から始まりました。
私たちがふだん日常の中で使っているさまざまな元素も、これらの爆発によって作られたものです。
そして我々、生命もまた爆発によって作られたものだと考えられています。

さまざまな爆発を理解しながら、宇宙とはなにか? 生命とはなにか? という根源的な問いへと向かっていく、知的興奮を体感する科学書です。

目次

第一章 爆発とは何か
さまざまな爆発/爆発とは何か/エネルギーを測る
第二章 宇宙は爆発に満ちている
地球外の天体現象のエネルギーを見る/静止質量エネルギーで宇宙を見る/超新星、そしてガンマ線バースト/銀河のエネルギースケール/ビッグバン宇宙のエネルギー?
第三章 爆発としてのビッグバン宇宙
宇宙の膨張とはどのようなものか/宇宙は膨張はどこまでひろがっているか/爆発としての宇宙膨張/宇宙膨張の理論的裏付けー相対性理論/なぜ、宇宙は爆発・膨張するのかー相対論の回答?/インフレーションによる宇宙爆発/再び爆発を始める現在の宇宙!?ー暗黒エネルギーの謎
第四章 ビッグバンから星々の世界へ
なぜ、この宇宙は星々で満ちあふれるようになったのか/素粒子の世界と力の分化/物質と反物質、そして陽子と中性子の誕生/元素の誕生/光と物質の逆転、そして晴れあがる宇宙/宇宙の大規模構造を生み出す/星と銀河の誕生
第5章 星々を輝かせるもの
星はなぜ輝き、そして輝き続けていられるのか/実は星座を知らない天文学者/恒星のエネルギー源/原子核反応の世界/核融合炉としての太陽/太陽中心でのエネルギーの生成から太陽光へ/ニュートリノー核融合反応の確たる証拠/安定の百億年/やがて訪れる終末/白色矮星の誕生
第6章 超新星と中性子星の人類史
京都・相国寺に、その墓はある/超新星とはどのような現象か/歴史上の超新星/1934年---「超新星」のアイデア誕生/なぜ爆発?カギは中性子星/白色矮星の最大質量/中性子星とは何か/パルサーの発見
第7章 超新星の爆発メカニズム
大質量星とその進化/重力崩壊と原始中性子星の誕生/ニュートリノとカミオカンデ/大マゼラン星雲に出現した超新星1987A/ニュートリノ質量について得られた新知見/どうして超新星は「爆発」するのか?/超新星を「実験」してみよう!/なぜ、超新星は輝くのか/もう一つの超新星、Ia型
第8章 超新星より凄いやつーガンマ線バーストの物語
人類の危機から生まれた発見/どれだけ明るいのか?/銀河系内の中性子星か?/コンプトン衛星の登場/宇宙論的な遠方か、銀河系ハローか?/ガンマ線バーストの正体は何か/複数の種族の判明/1997年の革命/長いガンマ線バーストと超新星/最後の謎・短いバーストと重力波天文学の誕生
第9章 そして新たな謎の天体が生まれるー高速電波バースト
謎の電波バーストの衝撃/忘れられかけた最初の発見/高速電波バーストの正体は何か!?/繰り返す!/母銀河が見つかり始める!/「見えないバリオン」がついに見つかった!
第10章 星の爆発と人類
星の爆発は、我々にどのような影響を与えているのだろうか?/宇宙における様々な元素の存在量/重元素の生成と超新星
鉄より重い元素の起源は?/近くで起きる超新星は、地球生命に影響を与えるか?/偶然か、それとも必然か? 銀河系のハビタブルゾーン/ 超新星が生命に及ぼす影響とダークエネルギーの関係!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寝落ち6段

12
空間的に一箇所に閉じ込められたエネルギーが、ある時点で突然、何らかの理由によって解放され、その解放されたエネルギーが周囲に伝搬していく現象が「爆発」である。この宇宙も「ビッグバン」という爆発から始まった。今でもどこかの星が爆発し、その素粒子が地球に降り注いでいる。その降り注ぐ素粒子や電波などを観測することで、輪廻転生を繰り返さないと辿り着けない宇宙の果てを解明することができる。人間の叡智の素晴らしさと、それでも尚及ばない宇宙の偉大さに浪漫を馳せる。2022/03/22

DEE

10
爆発という視点から見た宇宙の進化。あるエネルギーが外側の方向に一気に放出されるのが爆発だけど、宇宙にはまだまだ解明されていない爆発がいくつもあるし、発見すらされていない爆発もきっとあるだろう。 内容はかなり難しいが、宇宙の深淵には間違いなく触れられる。 2021/12/17

5〇5

7
「爆発」をキーワードに宇宙の成り立ちから生命の存在をも俯瞰する ♦特にガンマ線バーストの正体、さらに元素の合成の過程は興味深い ♣改めて宇宙のダイナミズムを痛感する一冊である ♥尚、本書を楽しむには、膨張宇宙、中性子星、素粒子など基礎的な宇宙物理の知識は必要であろう ♠さもないと、読み手の脳が「爆発」しかねない。2021/11/18

HaruNuevo

6
『爆発』を切り口に宇宙を論じる一冊。 宇宙論の入門書は数多あるが、こう切り口を設定して、見方というか、視座を設定し直してくれたうえで解説されると、また新鮮な面白さがある。2021/11/13

akiakki

5
宇宙膨張、インフレーション、ビッグバン、超新星爆発、ガンマ線バースト、高速電波バーストを解説する本です。「爆発」をテーマにしたアンソロジーのような内容で、個々の現象はあまり関連付けられていないのと余談が多いのが残念。2022/06/11

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