講談社文庫<br> 首の鎖

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講談社文庫
首の鎖

  • 著者名:宮西真冬【著】
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • 講談社(2021/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065237694

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内容説明

勝村瞳子、独身。自分を疎ましがる母の介護と、実家の店でこき使われているうちに一日が終わる。恋人には、妻がいる。
そんな中、病院の待合室で丹羽顕と出会う。彼は、妻からのDVに悩まされていた。
愛しているのに苦しい、家族への複雑な想いを初めて理解し合えた二人は、ある殺人事件を機に共犯者となるが――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mincharos

43
あっという間に読了。瞳子が自己主張しなさ過ぎてイライラしたけど、それ以上に両親の瞳子への扱いが本当にひどすぎて。介護やDV、家庭内で起こる問題は当人が外に漏らさなければ、本当にクローズドの世界でどこまでも当人だけに負担が来る。瞳子と顕が出会い、これでようやく幸せに・・・!と思いきや、顕も最初から瞳子を利用しているような部分もあって心配に。どうして男は育児も介護も人任せなんですかね?!そんな顕だけど最後はちゃんと守ってくれてよかった。家族だからって、自分を苦しめる存在なんだったら、捨てちゃっていいんだよ~2022/02/08

ちょん

27
一晩で読めてしまった薄い本。介護で実母に囚われる主人公に、DV妻に囚われる男。登場人物誰も好きになれない(笑)介護については自分がまだ経験してないので物語の中の想像でしかないですが…やらなきゃいけない、とかそんな気持ちでしたくは無いと思ってしまうけど、いざ目の前に介護問題がやってきたらそんな事言ってられないんだろうなーと思ってます。難しい。2022/01/25

Kazuko Ohta

26
頁を開けばいきなり情事の描写。言い方が悪いですが、三文小説の雰囲気もあり、メフィスト賞受賞作家っぽくないなぁと思いながら読み始めたら、介護の様子にこの上なく凹む。娘を介護要員としてしか見ていない家族。もうこんな家族のことなんか放っておけばいいのに、そうはできない娘。やっと巡り会えた相手は妻からのDVに遭っているという悲惨極まりないふたりです。感情移入はしにくいけれど、この状況が好転する日は来るのだろうかと一気に読まされました。3時間かからず。はい、決して三文小説ではありません。首の鎖はちゃんと外れますか。2021/09/10

mayu

21
積読崩し2冊目。あぁ、まさしく首の鎖。自分の力では外せないし苦しく縛り付ける家族から与えられた鎖。母の介護をすべて担い、自営業の店も手伝いながら自由の無い生活を送る瞳子。愛されず、無下にされても母親が大好きだと思う瞳子。負のスパイルにずーっと陰りが広がる。母親だけでなく、どこを切り取っても最悪な家族が絶望的だった。ここまでの事が起こらない限りは、ずっとあそこから抜け出せなかっただろうな。最後はこれで良かったのかもしれないとさえ思ってしまった。2023/07/07

mami

11
イライラ、モヤモヤといった感想が並んでいるが私はただひたすら切なく感じたこの物語。人間、年を重ねればそれなりに色んな思いを抱えて生きているし、特に介護絡みは切実。登場人物全員に共通するのは「あの時、自分の思いを吐露出来ていたら」に尽きる。スッキリはしない内容だけど、読み物としてはとても面白かった。2022/05/10

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