内容説明
失踪した博士の実験室には奇妙な小説と、ある名前――。Gシリーズ後期三部作、戦慄の第二弾!
〈死ぬ自由が自分にはある〉と手紙に書いた元大学教授の失踪は自殺なのか。それとも――。
残された謎。真夜中の死。そして悲劇は続く。
遺書ともとれる手紙を残して老博士、八田洋久が失踪した。一年後、洋久と親しかった人びとが八田家に集まり、失踪の手がかりを探して実験室に入ると、コンピュータに「Ψの悲劇」と題された小説、ノートに〈真賀田博士への返答〉とのメモが。その夜、八田家に悲劇が訪れた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
expensivewell
31
久々に森博嗣を読んだ。真賀田四季に少しだけ近づいた。続きが気になるから完結してからまとめて読みたいが、最新情報を入手したい気持ちと思わずネタバレをくらってしまうリスクもあるため板挟みだ。週刊連載の漫画に対する姿勢と等しい。2022/06/20
bayashi
30
未読のWシリーズにおそらく繋がる、基となる内容。百年密室にも。今生きてる人は間に合わんな。確かに一冊本読んだら、何かしらインストールされてる感はある。Yの悲劇は必読じゃないが、読んでる方が随所上手いと思える。ところで波田陽区ってヨークハッターから取ったのだろうか?2021/06/30
LUNE MER
22
本作は「Yの悲劇」のオマージュ!…と思って読むほどにかえって展開の意外性に翻弄されるかも。もう完全にSFなので。そして今作でも島田文子の活躍っぷりが個人的に嬉しいツボ。今作の彼女のテンションが過去最高に好きである。次作がラストとなるはずなのだが、どこに連れて行かれるのだろう。2023/04/05
sosking
22
ん〜、島田さんのキャラ変に戸惑ったが、後半は一気に読む事ができた。悲劇もの3部作の中間に当たるので、引用文がYの悲劇なんだなと納得。さて、現代の最先端の科学技術の情報に触れると、こんなSF的な思考も夢物語ではなく、実際の近未来で実現可能になると本気で思っております。それくらい、情報化の技術の進歩は凄まじいものがありますね。2022/03/26
Musa(ムサ)
21
Gシリーズもいよいよ第11巻。前回あのような形で終了したのにもかかわらず島田文子の再登場と初めから驚きの展開、そして森博嗣ミステリの真骨頂とも言うべき先端技術を駆使したトリックは、今作の舞台が未来なこともありこちらも驚きでした。また少しずつ時代が未来に進んできたため世界が着実にWシリーズに近づいてきているのがわかるのがファンとしてはすごく面白いです、このまま島田文子がWWシリーズあたりに登場する展開もありそうで森博嗣氏の今後の作品も楽しみになります。2021/06/19