文春e-book<br> ウディ・アレン追放

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文春e-book
ウディ・アレン追放

  • 著者名:猿渡由紀【著】
  • 価格 ¥1,599(本体¥1,454)
  • 文藝春秋(2021/06発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163913865

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内容説明

突然降ってわいたように起こったスキャンダルは、まるでギリシャ神話のような家族の悲劇だった――。

かつては「ウディの映画に出演すればオスカーを獲れる」とまで言われ、ニューヨークを象徴する文化人のアイコンとして名声をほしいままにしたウディ・アレン。
ハーベイ・ワインスタインのセクハラ暴露をきっかけに世界中に広がる#MeToo運動で、またもやハリウッドを干されている。

四半世紀前に勃発した、元交際相手ミア・ファローの養女への性的虐待のスキャンダルは、法廷闘争にまで発展し、いまもなおミア側との間で泥沼の様相を呈している。
ミア・ファローや養女のディラン、ウデイの実の息子であるローナン・ファロー、当時のベビーシッター、ミアの養女でウディの現在の妻スンニたちの証言や記録をもとに、
在米20年、ハリウッドを見続けた著者が公正な視点で虐待があったのかどうかその謎に迫る。

永遠に本人にしか分からない謎に、当時の記録をもとに公正に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

86
「レイニー・デイ・イン・ニューヨーク」が日本で封切られ、とても良かっただけに、なぜアメリカで上映未公開となったのか背景を知りたくて読んだ。アメリカ在住の日本人ライターが著者であり、ミア・ファローにもウディ・アレンにも公平な立場から#Me Too運動に至る経緯を知ることができた。確かに妻の養女に手を出してはいけないけれど、その後スンニと結婚し、毎年映画を作り続けてきたウディに今さら感は否めない。日本では良くも悪くも今のところ対岸の火事なので、最新作「リフキンズ・フェスティバル」が観られるのを期待しています。2021/07/11

fwhd8325

59
それまでコメディアンのような印象だったのが「アニー・ホール」「マンハッタン」でアメリカを代表する名監督になった、ウディ・アレンのスキャンダルは聞いていましたが、芸術家にありがちな偏愛嗜好なのかと思っていました。非常にセンシティブなテーマなので、善悪を語ることは慎重になります。ただ作家の嗜好と作品は別物と考えることが認められるのであれば、その才能を遮断してしまうことは惜しいと思います。私自身、映画を見に行かなくなって久しいのですが、恵比寿ガーデンシネマで見る彼の作品は本当に心地よい時間でした。2022/01/08

ぐうぐう

31
この世は意外と答えの出ないことで溢れている。けれど人は、曖昧さと言う居心地の悪さに耐え切れず、無理やり答えを見つけ出そうとする。その場合、答えを導く決め手は大抵、自分が信じたい方だ。ウディ・アレンとミア・ファローのスキャンダルにおいて、それぞれの言い分が真っ向から食い違うのは当然として、第三者が客観的な立場から騒動を検証し、証拠や証言を根拠にウディを肯定、ミアを肯定するケースがそれぞれある。(つづく)2021/06/22

koji

18
ウディ・アレンを語る時、常に養女への性的虐待疑惑が負の遺産として着いて回りますが、それが裁判で一応の決着をみてからは、目覚ましい復活を遂げていました。しかし2010年代後半、#MeToo運動の盛り上がり、実子ローナンの再告発で虐待事件が再燃し、遂には後ろ楯のアマゾンも手を引き、更に追い討ちをかける(事件の)ドキュメンタリーの放送でウディは事実上追放されてしまいました。大いなる悲劇ですが、この底流には社会における権力構造の大変化が横たわっている気がします。この底流を考える事が、ウディ問題の本質と考えています2021/10/24

アリーマ

15
前妻ミア・ファローの連れ子を性的に虐待したスキャンダルの背景。その後,連れ子の一人と結婚していた話は聞いたようなそうでないような。とりあえず後者は不思議だが真剣な恋愛関係だった由で、幸福な結婚生活に繋がっている。そんな感じで、淡々とどのような動きがどのような報道とともに出てきたかを、俯瞰的に時系列に沿って概観。特に真実を断じはしないが、作者自身はアレンは無実というイメージを抱いているように思える語り口ではあった。ゴシップの背景と概要はよくわかる。それ以上でもそれ以下でもないので、やや物足りず。★★★⭐︎2021/11/14

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