内容説明
本書はデビューから負けなしの29連勝や史上最年少タイトル獲得など、数々の将棋界の記録を塗り替え続ける藤井聡太二冠の生い立ちから二冠獲得までの軌跡を綴ったものです。
著者の鈴木宏彦氏は藤井二冠と同じ愛知県出身で藤井二冠がメディアで注目される前から交流のあったライターです。
今回の書籍執筆にあたっては、鈴木氏のみが知っているエピソードや秘蔵写真を大公開しています。岡崎将棋まつりでの伝説の佐々木勇気戦や、小学生時代の詰将棋解答選手権の奮闘など、これまであまり語られることのなかった秘話の数々を紹介しており、これまでにない藤井聡太本となっています。
さらに藤井聡太二冠の運命を変えた「ふみもとこども将棋教室」に対して綿密な取材を敢行しました。少年・藤井聡太がどうやって成長していったのか、どのような才能があり、それをどう伸ばしていったのかが克明に記されています。
本書は今後藤井聡太二冠を語る上で必ず参照されるバイブルになることでしょう。
「観る将」の方も「指す将」の方も、将棋に興味のあるすべて方に読んでいただきたい一冊です。
第1章 次の名人
第2章 覚醒
第3章 詰将棋の天才
第4章 衝撃の29連勝
第5章 初タイトル獲得、そして二冠へ
第6章 藤井聡太は5回ジャンプした
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TakaUP48
48
まさに今、対戦中の藤井三冠の幼少から二冠までの軌跡の話。3~4歳ではモンテッソーリ教育の幼稚園に通い、5歳で祖母と初めて将棋に触れ、近所のふみもと子供将棋教室に通う。礼儀と「定跡書の暗記」と「詰将棋」が課題で、徹底して「詰将棋」をやったという。漢字の書けない少年は、解答を母に代筆をして貰ったという。負けると号泣、1年間で16階級を駆け上がり、小1からは優勝だらけ。小6からの詰将棋解答選手権5年連続優勝で脚光を!いやなんと言っても29連勝、イヤ勝率8割台が凄いとも。さらに進化する藤井三冠が今後とも楽しみ!2021/10/09
禿童子
43
活火山のように絶え間なく成長し、記録を塗り替える藤井聡太を見守ってきた将棋観戦記者のクロニクル。既知の情報が多いが、非公式戦の根回しをする筆者のような存在が「藤井ブーム」を演出してきた面も大きいのでは。AI将棋ソフトによって棋力が伸びたという見方に対して、それを使う棋士の本来の力が大事-強い人が強くなるというのが筆者の見解。囲碁の10歳デビューの仲邑菫という少女棋士についての記事が面白い。2021/09/02
kanki
24
幼稚園、11手詰解けるのに、漢字書けなくて、お母さんが解答を書く。7歳詰将棋選手権2位。すごい。2023/06/14
nonpono
15
将棋の本なんて団鬼六の「真剣師 小池重明」以来である。真逆すぎる藤井先生。わたしは藤井先生が有名になって変わったところは?と聞かれ、自販機の飲み物を考えずに買えることと答えた素直さが好き。やはり、あの師匠の影がちらほらする。その天才ぶり、おごらなさを実感する。加藤一二三、ひふみんとの対戦も脳裏な焼きつく。藤井聡太の躍進が見れたこと、八冠を見れたことは羽生先生に驚愕したわたしとしては、新たな発見であった。やはり謙虚じゃなきゃ。驕れものは最後に沈むんだよ。藤井聡太、まだまた夢を見せてくれ。将棋という浪漫に。2024/02/17
rokoroko
12
ふみもと将棋教室の話がおもしろかった。今度は柏での叡王戦頑張ってほしい。中継があって楽しい2022/05/17