内容説明
生誕こそ、死にまさる真の災厄である。
ただひとつの、本物の不運は、この世に生まれ出ることだ。──「暗黒のエッセイスト」が放つ、独特のユーモアと強烈な皮肉に満ちたアフォリズムに、読者は一瞬にして呑みこまれる。
静かに読み継がれてきた、「異端の思想家」シオランの〈奇書〉を新装版で刊行。
あまりにも完全な地獄は、楽園と同じように不毛である。
あらゆる思想は、損なわれた感情から生まれる。
一冊の本は、延期された自殺だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
19
午前三時の眠れぬ夜から始まる本書は、私たちが時間でもあることに気づいてしまった人の懊悩と快哉のひとり二重奏であるかのようだ。シオランのいう逆説や否定こそが本当に思えるのは、二項対立を形成するペアが根っこではつながっていたり、同じものの表裏であったり、縁として支え合ったりするからだろう。訳者が跋文で、シオランの言葉を論破するのは難しくないとしつつも、同時にシオランの言葉に返す言葉が見つからないと告白するのもまた、シオランがあらわにしてみせた私たちの倒錯性/二重性を示している。2021/12/16
そふぃあ
17
『バーナード嬢曰く。』5巻/84冊目で取り上げられている。 漫画では本の上部から付箋が何十個もビロビロと生えていて、私も最終的に同じ状態になった。 反出生主義が何なのか知るために読むものではなかった。アフォリズムというのは通読するものではないようで、ちびちび読むのが自分の集中力には合ってたので、読み終わるのに半年以上かかった。時々開いてみて、たまたまそこにあった文章を味わってみたい。 読み終わってみて、今の自分がそこまでペシミストじゃないと知ったのが発見だった。2026/06/02
双海(ふたみ)
10
「生誕こそ、死にまさる真の災厄である。」 異端の思想家シオランの奇書。静かに読み継がれてきた書物は、やはり静かに読み継ぐよりほかはない。2025/04/01
Kano Ts
8
これがアフォリズムって文体か~。この目的には沿わないんじゃないかなぁ。というのが第一印象。中には思わず笑ってしまうような生きる力を与えてくれる文章もある。間違いなく思想としては一流だろう。ただアフォリズムという文体の性質の問題だと思うが、僕にとっては本全体としての方向性というか積み重ねが感じられなかった。簡単に言えば「名言集」みたいな感じで、気づきは与えてくれるが深みが足りない(読み取れない)という感じ。お守り代わりに本棚に入れておきたい本ではある。たまに取り出してぺらっと読めば生きる力を与えてくれる。2024/04/28
𝐂𝐄𝐋𝐄𝐒𝐓𝐈𝐍𝐄
6
突き抜けた絶望の言葉からは明るさを感じた。二階堂奥歯さんがたびたび引用しており、シオランの著作の中で最も内容が鋭いと評していたため、手に取った。アフォリズムが連なる形式は、読みやすかった。2023/12/22




