内容説明
ナチス×スパイ×名探偵
前代未聞の歴史反転ミステリー!
招聘されたゲシュタポ犯罪捜査官。
その正体はユダヤ人の古書店主!
第二次世界大戦の末期、ニュルンベルクの
ユダヤ人古書店主イザークと家族のもとに
ポーランド移送の通達が届く。彼は絶望の
なか、レジスタンスに関わっていると聞い
たかつての恋人クララを頼るが、彼女が用
意してくれたのはゲシュタポの特別犯罪捜
査官アドルフ・ヴァイスマンとしての偽の
身分証だった。イザークは受け渡しの場で
ヴァイスマンに間違われたまま、ナチスに
接収された城内で起きた女優殺人事件の捜
査に臨むことに。ゲシュタポの深奥部で彼
は無事生き抜き、事件を解明できるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
84
ナチス親衛隊内部で起こった殺人事件をユダヤ人が捜査させられる物語はポール・ウィルスン『ザ・キープ』以来だが、あちらがホラーだったのに対し本作はリアルなミステリを目指す。正体が明るみになれば命がないギリギリの綱渡りを演じながら、ユダヤ人の東方移送や親衛隊の権力闘争も絡んで味方の人びとを助けるため必死に真相を探る主人公イザークの苦悩と戦いが恐怖政治に支配された空気が感じさせ息苦しい程に読まされる。しかし後半は話を面白くしようとしたのか展開がやや映画調になり、強引にハッピーエンドへもっていった感が拭えなかった。2021/07/17
オーウェン
64
ユダヤ人のイザークはナチスの脅威に怯える日々。 そんな彼は家族と共に移送の通達が。 このままでは死を待つだけなので、レジスタンスで元恋人のクララに頼り、ゲシュタポのヴァイスマンの身分を偽ることに。ナチス側で起きた殺人を解決するためやってきたのがヴァイスマンなので、イザークは変装したまま犯人を探さなくてはいけない。設定が凝っていて、いつバレるのかという緊張感が全編を支配している。 ラストはまさかの相手側も登場という展開。 驚くのはこれに続編が用意されていることで、イザークはどこに向かっていくのだろうか。2021/12/21
NAO
60
1942年3月19日から24日までの6日間の出来事が描かれたミステリ。ポーランド移送がユダヤ人にとって残酷な運命をもたらすと危惧しかつての恋人クララに援助を求めたニュルンベルクのユダヤ人青年イザークに出された交換条件は、SSの特別捜査官アドルフ・ヴァイスマンに化けてある任務を果たすことだった。イザークはヴァイスマンとしてナチスの城に入り込んだが、レジスタンスグループは内部の裏切り者のため大半が投獄されてしまっており、内通者が誰かはわからないまま最後までハラハラドキドキが止まらない。2022/12/20
Panzer Leader
60
強制収容所に移動の通達を受けたユダヤ人の古書店主がレジスタンスの一員である元恋人に助けを求める。彼女が用意したのは腕利きのゲシュタポ特別捜査官の身分証であった。主人公は彼の代わりに女優殺人事件の捜査の指揮を執ることになる。これはひどい。設定に全くリアリティの無いエンタメ作品。故にどんなに主人公が危機に陥ろうが、殺人事件の謎解きに邁進しようが、ナチス政権の存続にかかわると言われている秘密文書の行方を巡る闘争があろうが、物語に入り込めず。年末の押し迫ったこの時期にまさか壁投げ本に相応しい本書に巡り合えるとは。2021/12/30
星落秋風五丈原
43
第二次世界大戦の末期、ニュルンベルクのユダヤ人古書店主イザークにポーランド移送の通知が届いた。彼は絶望のなか、レジスタンスに関わる元恋人に助けを求めるが、彼女が用意したのはゲシュタポ犯罪捜査官の身分証で。身分がばれたら命が危ない極限状態でのミステリ。2022/08/17
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