内容説明
特集 今、何が問題か
われわれは絶え間なく「問題」について語っている。
少し考えてみても東日本大震災からの復興、原子力とエネルギー、
雇用や財政、TPP参加の是非といった具合に、
およそ「問題」には事欠くことがない。
だが、一〇年、二〇年はもちろん
一年もするとすっかり忘れ去られてしまった「問題」も数多い。
「今」という時の重みは小さくなり、
「問題」も大量に生産され大量に消費されている。
『アステイオン』は創刊以来の四半世紀、本質的な「問題」を正面から語り、
時代の大きな流れの中で「今」を問う試みを続けてきた。
この基本的な姿勢にはいささかの変更もないが、
新しい編集体制で臨んだ本号の特集では、
各編集委員が「今、何が問題か」について自問することで、
われわれの知的姿勢を改めて明らかにしておきたい。
あえて時間的にも地域的にも限定を設けず、
それぞれ専門を異にする編集委員が「今」と「問題」を自由に語った論考から、
何が見えてくるだろうか。
現代の諸問題を「鋭く感じ、柔らかく考える」本誌の挑戦に対する
読者諸氏のかわらぬご支援を期待しつつ、
リニューアル後の最初の特集をお届けしたい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
マーク・リラ「「私は知らなかった」ーこの言葉は二〇世紀全体を通じて、独裁者を擁護した人々、全体主義に同調した人々の弁解の決まり文句だった…共産主義体制、ファシズム体制…ロシアにおいて、形ばかりのモスクワ裁判とともに大粛清が行われ、農民が餓死していたこと。中国において、文化大革命がフランスの恐怖時代と同等の狂気と自己破壊をもたらしていたこと。カンボジアにおいて、都市住民が農村へ下放され、死に追いやられていたこと。イランにおいて、同性愛者が電柱に首を吊るされて殺されていたこと。…知らない人はいなかった。」2020/07/21
denken
0
ぼやっとした中に,面白い見方が拾える。特に鷲田清一に感銘を受けたが,一歩進んで当人の著書にあたっても興味のないことばかりだった。2012/08/26
naruo_homewood
0
「今、何が問題か」という特集に惹かれて手に取りました。原発とエネルギー問題、領土問題、財政問題、等、今の日本は問題山積みです。この本ではその一部を取り上げているだけですが、感情論ではない適切な論考に、様々な問題に対する接し方を学び、自分はどう考えるか、という点で大変参考になりました。また、明確な答のない問題に対して、どのようにアプローチして解決策を探っていくか、重要な示唆を得たように思いました。2012/08/15
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