内容説明
尽した会社や愛した子どもに裏切られてもけなげに生きる可憐な中年族に送る大応援歌。
中年族をはげますペーソスあふれる長編――戦中、戦後を苦労して生きぬき、国家や会社の御為に、個人の幸せなどそっちのけにして頑張った中年世代。老後こそ子供や孫に囲まれて安らかでありたいと思ったが、肝心の子供たちは「わしら、知らんでえ」と冷たい。すべてに裏切られ、似たもの年代の似たもの同士で、今後の楽しみを作ろうと不器用に努力する中年男女たちに捧げる強力な応援歌。願いが裏切られた今、人々はどう生きるか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
98
面白かったです。戦中・戦後を生き抜いた世代の中年がどう生きるかをユニークに描いていました。個人的な幸せが願えない分、老後の安らかな生活の願いも裏切られたからこそ、同じ世代で楽しみを見出そうとする姿が何とも言えない哀愁を漂わせます。不器用ながらも努力して日々を過ごす中年たちにエールを送りたくなりました。同じ中年世代でも、生きる時代が違うと、その生き様も全く異なるのだなと思います。だからこそ、応援歌としてのこの作品がしみじみと感じられるのかもしれません。2017/08/20
優希
72
戦中・戦後を生き抜いた中年たちをユニークに描いています。国や会社のために動き、個人的な幸せなどが願えず、老後の安らかな生活も裏切られたからこそ、同じ世代同士の仲間たちと楽しもうと努力する不器用な中年男女への強い応援に思えました。2019/09/22