債務免除益の課税理論

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債務免除益の課税理論

  • 著者名:藤間大順
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  • 勁草書房(2021/06発売)
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  • ISBN:9784326403851

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内容説明

債務免除益に関する課税問題につき、そのあるべき理論的枠組みを考察した渾身の意欲作。債務免除益に対し米国法を参照しつつ独自の債務控除アプローチを理論構築し、課税をする理由付け、課税されるべき債務免除益の範囲をまず考察したうえで、いつ課税されるべきか、どのように課税されるか等、具体的課税問題に当てはめて論じる。

目次

第I部 債務免除益の課税理論の構築

第1章 債務免除益の課税理論と事業再生税制の解釈論
 はじめに
 第1款 債務免除益に対する所得課税
 第2款 事業再生税制の概要
 第1節 債務免除益の課税理論に関する先行研究
 第1款 債務免除益の課税理論に関する日本の議論
 第2款 債務免除益の課税理論の米国における展開
 第3款 米国の議論から得られる示唆
 第2節 事業再生税制により非課税となる債務免除益─平成26年度税制改正の前後での断続性
 第1款 事業再生税制の適用要件の解釈についての先行学説─旧通達と新法の連続性
 第2款 所得分類と新法の射程範囲─旧通達と新法の断絶性
 第3節 債務免除益の課税理論に基づく事業再生税制の解釈
 第1款 借入金アプローチの展開と手続的要件説
 第2款 借入金アプローチにおける受益要件の再検討─借入金アプローチから債務控除アプローチへ
 第3款 本章において提示する資力喪失要件の解釈論─収入金額に含まれない債務免除益と事業再生税制
 第4節 補足すべき事項
 第1款 債務控除アプローチについて
 第2款 債務超過または債務超過確実説について
 おわりに

第1章補論 債務超過の判定方法に関する比較法的検討
 第1節 米国の議論
 第1款 資産の範囲
 第2款 債務の範囲
 第3款 補足すべき事項および検討のまとめ
 第2節 日本法において得られる示唆

第2章 租税利益の原則(Tax Benefit Rule)と債務免除益課税
 はじめに
 第1節 租税利益の原則の米国における生成および展開
 第1款 租税利益の原則の判例法における形成と制定法における受容
 第2款 租税利益の原則の適用場面の拡大
 第3款 米国の議論のまとめ
 第2節 日本法における租税利益の原則
 第1款 日本法において租税利益の原則を見出しうる範囲
 第2款 日本法において租税利益の原則を論じる意味
 第3款 日本法における租税利益の原則の妥当性
 第3節 租税利益の原則と債務免除益課税─債務控除アプローチの基礎づけ
 第1款 租税利益の原則と債務免除益課税に関する抽象的考察
 第2款 具体的な裁判事例を通しての検討
 第3款 租税利益の原則の適用場面の1つとしての債務免除益課税

第II部 債務免除益の課税理論と具体的な課税問題

第I部の議論の総括

第3章 債務免除益の年度帰属
 はじめに
 第1節 日本において問題となった事例(東京地判平成19年9月27日)─検討の出発点として
 第1款 事案の概要および原告の主張
 第2款 H19東京地判の判示
 第3款 債務免除益の年度帰属の判断基準
 第2節 債務免除益の年度帰属についての米国の議論
 第1款 裁判例における議論
 第2款 Form 1099─Cの提出制度の創設
 第3款 36ヶ月ルールをめぐる裁判例と廃止
 第3節 米国の議論から得られる示唆
 第1款 日本と米国の論拠の相違
 第2款 債務免除益課税の理論および権利確定主義をめぐる議論からの考察
 第3款 米国法から示唆されるあるべき議論
 第4節 債務の消滅形態ごとの類型的整理
 第1款 債務免除益が生じる債務の消滅
 第2款 個別の消滅形態ごとの検討
 第3款 個別的な検討のまとめ
 おわりに

第3章補論 補足事項
 第1節 執筆後に触れた文献
ほか

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