内容説明
クリエーターたちに愛されている絵本作家の魅力を、インタビューや写真、幼少期の記録や絵画等の未発表作品で伝える貴重な一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
87
ゴフスタインの絵本の世界。谷川俊一郎の訳で何冊か出版されている。絵を描く時「出てきてCome out!」と言って絵を紙の上に引き出します。そしてお話も言葉も「選ぶ」というより「見つける」のです。ほとんどの場合は最初の1行が先にあります。自分が想像するものをどういうものなのか探し出すことが大切です。本を作るのは、読者のためというよりは、本に手を貸すために書いているというポジションなのです。一番心に残っているのは中国の詩人ポー・チューイ(Po Chu-I・白居易)です。とても興味深い世界。絵本を読んでみよう。2021/07/13
とよぽん
49
つつましい、という言葉がぴったりだと思ったゴフスタインと彼女の絵本の世界。自分の感性を大切にして、言葉を厳選し、絵を描く。谷川俊太郎さんもゴフスタインの作品に哲学を感じたに違いない。2024/03/31
ひめぴょん
20
本は人が書いたということを知って、本を書く人になりたいと思ったというゴフスタイン。彼女のことばが刺さる。どんな人の言葉に感銘を受けるかというのは、自分を示すことにもなるのではないかと最近思う。 「見つける」という作業によって綴られた言葉でできた本。そして、良い本には真実が書かれている。 大切なのは自分は何をどれだけできるかということじゃなく、何をやりたいかということ。 感情(愛や悲しみなど)を動かない物に注ぎ込んだりするもの。そして、自分の手もとにこれがあるから、私は大丈夫なんだって思うことがある。それは2023/11/15
belle
12
平凡社からこんな愛らしいゴフスタインの本が出た。まさに~つつましく美しい絵本の世界~だった。ペンとインクのシンプルな描写の作品たち。幼い頃からの写真。暮らした家。学生時代に彫った木の人形たちは「ゴールディーのお人形」ね。ページ毎にじーっと魅入ってしまう。ゴフスタインさんが私のおうちに来てくれました。彼女の話に耳を傾け小さな声で語り合った気分です。2021/07/11
ぱせり
6
インタビューの「絵はみんな話をすると思っているんです。主人公たちは実際に紙の中に存在してすでに何かが起こっていて、私自身は「come out,come out,(出てきて、出てきて)」と、彼らを引き出している感じなのです」が心に残る。絵本の中の小さな人たちが、作者そのものに見える2021/09/12