内容説明
なぜ恐竜は消えたのか。6600万年前の地球に何が起こったのか。地球史上最大級の「未解決事件」に探偵科学者たちが挑む、本格サイエンス・ノンフィクション。きっかけは、ある老天才物理学者の“異端の仮説”だった。巨大な天体衝突クレーターに向かって、世界各地の地層が見えない糸でつながれていく。しかし、本当にそれだけなのだろうか――? 壮大な発見物語と科学者たちの悲喜劇を鮮やかに描く、極上の知的エンターテインメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
19
★★ 分かり易い訳でなく、目新しい内容でもなく、科学者たちの足の引っ張り合いも大した事なかった。パラパラ読む。2021/05/13
5〇5
9
6600万年前の恐竜を含む大量絶滅に関わる研究の全貌が良く解る本である ♦白亜紀と古第三紀の間にあるK/Pg境界と天体衝突の謎に挑む科学者たちの熱過ぎる(!)バトルは読み応え十分だ ♣新たな知見により二転三転する仮説検証のプロセスは、まるでミステリーの謎解きのようで楽しめた ♥さらに、天体衝突後の経過にはまだまだ謎が残されており、今後も興味は尽きない ♠とにかく、知的好奇心を刺激してくれる良書である。2020/07/07
はちめ
8
地球史における最後の大絶滅期である6600万年前のK/Pg境界の原因に関する論争史の本である。何となくユカタン半島に落ちた大きな隕石によって恐竜などが絶滅したと思っているが、学術的には決着していないし、現在に至る経緯も複雑な物語があったということらしい。著者の語り口は絶妙で、学術的ポイントはしっかり押さえつつ、大量絶滅殺人事件の真犯人を追うドキュメンタリー仕立ての構成にもなっている。抜群に面白いのだが、ちょっと不思議なのは著者は何故本書を執筆しようと思ったのだろうか。☆☆☆☆☆2020/06/11
Colour25
6
子供の頃から私も恐竜にロマンを抱いていた。当時の恐竜に関する図書には、絶滅したのは隕石衝突説が有力であった。あれから更なる研究が進み、新しいアプローチから恐竜絶滅の謎を解き明かそうとした研究者たちのサイエンスノンフィクション。大学の講義で習った知識や専門用語が本書にも登場し懐かしく思う反面、地球科学分野の研究は多岐にわたる分、とても面白い。恐竜絶滅は地球の歴史の中で最大の謎―この謎が解ける日が来るのも遠くはないかもしれない。2020/06/26
Yasutaka Masuda
4
現在において、恐竜の絶滅理由はユカタン半島に落ちた小惑星衝突によるものというのが定説となっているが、それに至るまでどのように議論され、証拠が出てきたかの経緯を記したドキュメント。紹介されている学説については科学雑誌などでつまみ食い的には知っていたが、時系列で整理され、ある学説の弱点に対して、別の学説が提起されるという構成で進むので、どのように恐竜絶滅の学説が遷移してきたのがとても分かりやすい。 2020/05/30