内容説明
1970年代以降に英語圏において活発となり、2000年代から日本でも急速に研究・紹介が進んだ現代形而上学。本書では存在と非存在、性質といった大テーマをめぐる議論を概観して枠組みを導入しつつ、穴、価値、フィクションといった個別的なトピックを論じることで、現代の形而上学の方法と手触りを直接に体感できるよう工夫されている。
目次
はしがき
第一章 何が存在するのかという問い
1 存在論から始まる問い
2 不在者のリスト
3 意味の問題
4 パラフレーズという手法
5 言語の二重性
6 日常物体と常識形而上学
7 還元・消去・錯誤
8 まとめ
第二章 個物の境界――穴とアキレス草の話
1 個物とは何か
2 穴の問題
3 穴をめぐる諸説
4 アキレス草とアキレス移動
5 消去主義
第三章 性質とは何か、なぜ同じものが複数あるのか
1 性質がなぜ形而上学の問題になるのか
2 クラスと融合体
3 普遍者
4 実在論者への挑戦
5 実在論者からの挑戦
6 トロープ
7 まとめ
第四章 価値という人間的な性質について──アフォーダンスと神の猫
1 性質にもさまざまな種類があるということ
2 関係的性質と外在的性質
3 傾向性
4 アフォーダンス
5 外在的な価値
6 主観性と価値の傾向性説
第五章 フィクションと架空物の問題──形而上学の境界
1 架空物をめぐる二通りの語り方
2 パラフレーズによる否定
3 問題の剪定
4 フィクションの言語性
5 非言語的なフィクションの可能性
6 架空物の問題にはどのように対応すべきか
あとがき
文献
感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
マウンテンゴリラ
borisbear
滑車
愛楊