講談社文庫 追いつめられた信徒 死なう団事件始末記

著者名：保阪正康【著】

講談社（2021/06発売）

• ISBN：9784061846074

内容説明

弾圧に対して「死なう団」の信徒は集団で切腹の抗議をした。昭和史の真相に迫る力作！　――戦前、警察国家の弾圧に対して、死ぬことを最高の教義とする「死なう団」の信徒は、集団で切腹の抗議をした。彼らはなぜ、ここまで追いこまれたのか。切腹で何を訴えようとしたのか。昭和初年の深刻な不況から、血腥いテロ、そして戦争へと突き進んでいく日本の象徴的な事件を、事件関係者への入念な取材と豊富な資料で初めて明らかにする！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[MIRACLE]

昭和初期の新宗教団体・日蓮会について、神奈川県警の弾圧と、信者による捨て身の抗議活動（死のう団事件）を中心に、その発足と終焉までを描いた本（解説・鶴見俊輔）。死のう団事件は、五・一五事件、神兵隊事件、二・二六事件と並んで、「四大事件」の一つとある。しかし、残りの事件の関係者が加害者であるのに対して、死のう団は一方的な被害者である点が異なる。

2016/05/15