内容説明
主計局エリートが売上税導入を画策! 高級官僚の地下作戦を描く経済サスペンス。国民の知らないエリートたちの秘密――一般消費税導入を掲げた大原内閣が総選挙で大敗した昭和54年10月、赤坂の料亭「なかの」の奥まった一室で、数人の大蔵省エリート官僚が息をひそめて謀議をこらしていた。カラッポになった国庫をどうするか? 防衛、食管、人勧、福祉……。α作業とは、そして問題を一挙に解決するオペレーションDとは何か? 経済サスペンス問題作!
感想・レビュー
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まつうら
44
昭和50年代、大蔵予算をめぐる省庁間のせめぎあいを描く。ドキュメンタリーじゃないかと思わせる精緻な物語の一方で、自省庁の予算を増やすことにこだわるあまり、登場人物がだれ一人として財政のことを考えていない様子にゲンナリしてしまう。この時代はまだ歳入不足を国債発行で補うことに慎重だったが、ここから赤字国債の発行が常態化して残高が雪だるまになっていったことを思うと、当時の政治家と大蔵官僚が最後の良心だったのかもと考えてしまう。いまはただ、国債の信用がなくなってハイパーインフレにならないことを願うだけ。。。2024/01/04
Walhalla
28
大蔵省主計局の防衛担当主計官が主人公のお話しです。 少し調べてみると、一般消費税の導入を巡って選挙で惨敗した大平内閣がモデルとなっているようですが、30年以上も前の作品で私も初めて知ることも多く、とても勉強になりました。2017/10/26