内容説明
「近代日本人は、日本をどのような国だと思い込もうとしたのか。また、その思い込みは、日本をどこに連れていったのか――(本文より)」。
明治期、新たな統治体制を構築しようとした日本政府は、天皇を中心に据えた「偽の歴史(偽史)」を創作した。今なお日本の歴史に決定的な影響を与え続けるこの空想的な「偽史」は、いかにして出来上がり、浸透し、肥大していったのか?
本書は、「国体論」「教育勅語」「家族国家論」などのキーワードを軸に、政治・文化・宗教、そしてオカルト思想に至る大量の歴史的資料をひもとき、「偽史」、そして近代日本の赤裸々な姿を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tom
6
暴力革命によって起こった事実上の薩長幕府である明治政府は、自らの正統性を訴えるために王政復古を持ち出した。その論拠となるのが万世一系の天皇の統治という国体。著者は国体論の三本柱として、大日本帝国憲法、国家神道、教育勅語を挙げている。これらを足掛かりにして日本人を「臣民」へと教化していった。その事実に基づいて著者曰く「天皇教」。明治政府による天皇教の布教は成功し、明治の終わり頃には天皇を批判できるムードは国民の間からは消えていた。日清、日露の戦争を通して、さらに高まっていく。2023/07/22
がんちゃん
2
支持します。この問題にきっちりと決着をつけないままでいることが、ずっと続いている。ある人はこの本に書かれていることは、全くの出鱈目だと言うんだろうな。2024/11/04
1131you
1
「戦争とオカルティズム」が面白かったので。偽史そのものというより偽史による影響についての書籍かな。 昭和天皇の諸国への謝罪が抑えつけられ実行した際には握り潰されたことは印象深い。「ヒロヒトとはいったい誰だったのか」はとても言い得て妙だと思う。 昭和を生きた上で今日の皇室イメージを作り上げた上皇上皇后の生き様にはやはり凄まじいものがあると思う。2026/06/23
佐倉
1
日本古来の信仰とされる国家神道は江戸時代に提唱され明治以後、国家統合のために利用された、いわば作られた伝統であり幻想である……という論から話がスタートする。そして明治~終戦までの日本がいかにこの幻想に飲み込まれていくかということを個々の事例を紹介しながら示していく。 読み終わって自分の歴史観も「万世一系の天皇は日本の伝統の体現者である」ということを前提にしていることを自覚させられる。考えてみれば日本史上、天皇がここまでフィーチャーされる近代以後は希な状況であるはずなのに……
hotsoy
1
何か居心地の悪さを感じてしまう皇室に対する各種論議、一つの解・ヒントを与えてくれる大切な一冊だと思います。 私には反論する知識は有りませんが、一つはっきりした事が有ります。 何人(なんぴと)たりとてマインドコントロールに支配される! 己れのリテラシーを磨く以外に方策有りません。2021/10/18
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