内容説明
ペンリックは、アドリア大公からセドニアのアリセイディア将軍に宛てた内密の手紙を携え、船でセドニア帝国に向かった。だがなぜか港についた途端、間諜として拘束され、投獄されてしまう。自らの内に棲む庶子神の魔デズデモーナの助けで牢を脱出したはいいが、なんとか尋ねあてた将軍は既に捕らえられ、両目をつぶされていた。最初から全てが将軍を狙った政敵による罠だったのだ。責任を感じたペンリックは医師と偽り、将軍の手当てを買ってでる。だが再び将軍のもとに敵の手が……。表題作を含む中編3編を収録。〈五神教シリーズ〉最新作!/【目次】ペンリックの使命/ミラのラスト・ダンス/リムノス島の虜囚/訳者あとがき
感想・レビュー
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sin
60
結局、落ち着くところに収まるのだが、今回ばかりは女とは愚かな生き物だと云わせて頂いても良いのではないだろうか?勿論、恋を相手にしては男も相変わらず愚かであることは云うを待たないが…密使として他国に赴いたペンをいきなり襲った謀略と巻き込まれた若き将軍と妹との逃避行、いや巻き込まれたのはペンの方か…逃走中、高級娼婦に変装したペンが武骨な地方の将軍に見初められる話は最高に面白い…そしてまさかの兄妹の母親の救出劇…ペンの抱いた恋心の行方も合わせて、読み応えのある連作中編でした。2021/06/22
しましまこ
25
待ちに待った新刊!初っ端から大ピンチのペンリック。デズデモーナに叱られながらの大冒険&ロマンス。面白かった~。いずれそのうちじゃなく、すぐに続き下さいよー!2021/06/20
慧の本箱
22
魔術師ペンリック。前作で19歳だった彼も30歳になってセドニア帝国の将軍の元に密書を携えて向かう処から物語は始まります。前作よりサスペンス感満載でハラハラドキドキです。何でもかんでもチチンプイプイとはいかない魔法で、おまけにペンリックと共存している個性的な魔たちとのせめぎ合いもあって600頁をめくる手が止まりません。旅の資金調達のための娼館での苦肉の策は・・・結構笑えます。エギン・チャドゥロ将軍には未来永劫真実がばれませんように。2024/07/08
hisa_NAO
21
大家ビジョルドのファンタジーの名作「チャリオンの影」と設定を同じくする五神教シリーズ。 魔に取り憑かれて魔術師となったイケメン、ペンリックを主人公とする物語の、本邦2冊目。前作「魔術師ペンリック」から6-7年が過ぎた所から始まる連作中編x3というか、ほぼ1長編。(本国では、現在9編が出ているそうな)。 詳細に作り込まれた五神教の世界の中で、若々しく快活な主人公と、取り憑いた12人の女性(雌馬・雌ライオンを含む)を経てきた年古りた魔、の活躍を描きます。なんといっても、この2人(?)の掛け合いが楽しい一冊。2021/06/17
tom
17
ペンリックの体の中には、10人の女(200歳を越える女も含む)と2匹の動物が住んでいる。そんな彼がニキスを好きになる。ニキスの愛を得るために、ひたすら苦難の道を走る。でも、いくら好きになられても、ニキスの立場からは、10人の女と同居しながらの結婚生活、想像するだけで頭が痛くなるはず。この障害を乗り越えて・・・というお話。それなりに楽しんだけれど、恋の成就に至るまでの道筋が延々と語られるのに食傷という感じか。前作の方が楽しかったような気がする。少しだけ残念本かも。でも楽しんで読んだ。2025/04/03
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