きのこと動物 - 森の生命連鎖と排泄物・死体のゆくえ

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きのこと動物 - 森の生命連鎖と排泄物・死体のゆくえ

  • 著者名:相良直彦
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 築地書館(2021/05発売)
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  • ISBN:9784806716150

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内容説明

動物と菌類の食う・食われる、動物の尿や肉のきのこへの変身、きのこから探るモグラの生態、鑑識菌学への先駆け、地べたを這う研究の意外性、菌類のおもしろさを生命連鎖と物質循環から描き、共生観の変革を説く。放尿跡、モグラのトイレ、死体や巣の分解跡に好んで生えるアンモニア菌を、地道な実験と観察によって、世界で初めて発見した菌類学者が、地中で繰り広げられる動物と菌類のドラマを描いた幻の名著を改訂復刊する。

目次

はじめに

1章 けものときのこ
1──けものがきのこを食う
(1) リスの菌食
(2) モモンガの菌食
(3) ネズミの菌食
(4) その他のけものの菌食
(5) きのこ食の栄養学
2──きのこがけものを食う
(1) 真菌症

2章 昆虫ときのこ
1──昆虫がきのこを食う
(1) スズメバチとシラタマタケ
(2) 菌食の展望
(3) きのこむしとファーブル
(4) シロアリのきのこ栽培
(5) アリのきのこ栽培
(6) トビムシの菌食
(7) その他の「むし」の菌食
2──きのこが昆虫を食う
(1) 冬虫夏草

3章 線虫ときのこ
1──線虫がきのこを食う
(1) 菌食性線虫
2──きのこが線虫を食う
(1) 「肉食性きのこ類」
(2) 線虫を破壊するかび

4章 排泄物ときのこ
1──糞そのものに生える菌
(1) 糞生菌
(2) 土壌小動物の糞と菌
2──尿・糞の分解跡に生える菌
(1) 「アンモニア菌」
(2) キャンプ地の野外便所跡ときのこ
(3) タヌキの糞場ときのこ
(4) モグラの排泄所ときのこ
補記

5章 死体ときのこ
1──死肉が朽ちたあと
(1) トムライカビ、そして再びアンモニア菌
(2) 「死体探知茸」
2──硬組織の腐り
(1) 「毛生菌」「骨生菌」
3──虫たちの死体は
(1) 易分解部分
(2) 難分解部分
補記

6章 廃巣ときのこ
1──昆虫の生活の後始末
(1) クロスズメバチの巣跡とアンモニア菌
(2) ヤマアリの廃巣とカラカサタケモドキ
2──坑道ときのこ
(1) 「トンネル効果」

7章 生態系における動物ときのこ
1──生きとし生けるもの
(1) 生態学の基礎としての菌根学
(2) 木・きのこ・けもの+細菌の四者関係
(3) 倒木もまた森林の一要素
2──「菌態蛋白質」
(1) 菌食と「獲得消化酵素」
(2) 「木」を食うのか「朽木」を食うのか
3──「糞化」と「糞菌食」
(1) 破砕と化学変化
(2) 糞はめぐる
補記

8章 雑感
1──菌類生態学考
(1) 菌類との向き合い方
(2) 菌類ハ菌類デアル
(3) きのこを語るコトバ
(4) 実験精神
(5) 菌根観察のすすめ
(6) 実践篇・実戦論
2──ヒトと発酵──「ジュースパン」
3──上田俊穂さんから寄せられたナガエノスギタケ情報とヒミズ標本
4──モグラは森の生物だ
(1) 巣、坑道、個体の実在から──山地個体群は小さいか?
(2) 混棲的生息の実態から──山林は住みにくい場所か?
(3) 巣のつくりは広葉樹林起源?
(4) 「定住可能」は幸せでは?
(5) 浄化装置つき居住地
(6) 農耕地が開かれたのは最近のこと
5──鑑識菌学への試み──チベットかぶれのなれの果て

おわりに
引用文献
学名・欧語索引
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海星梨

9
内容が古いとかよりも何より、この著者が苦手だった。「自然を〜」とかいう理由で動物の死骸は埋めないのに、蜂の巣は埋めるんかい、とか。きのことタイトルに入ってるからか、なぜか子実体を形成するものに拘ってるけどそれも謎。地中で営巣する動物・虫の糞から長い柄を持った子実体が生える。動物の死体も同様。リスはきのこを樹木の枝の上に蓄えることもあるほか、若い森林へ食事に来、糞を通じて菌根菌散布者になっている。2023/11/25

ぴょんpyon

0
著者の研究史とも呼べそうな内容。雑多だとか、内容が古い(1980年代の研究成果が多い)だとか、批判はあるかもしれない。しかし、とりわけ、アンモニア菌と動物をめぐる調査については他に比肩するものがないほど素晴らしいものだった。モグラやヒミズ、シロアリ、スズメバチなど多くの動物の巣と排泄物と、菌(きのこ)の関係を示す本書の記述は臨場感が感じられ、楽しく読むことができた。前提知識があった方がおもしろいだろう。大園享司著『菌類生態学』など菌類の入門書を読んでおくと良いと思う。2021/09/12

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